人口爆発
簡単なまとめ
人口が爆発的に増えること。
人口転換の第二局面、多産少死の局面で発生し、ピラミッド型人口ピラミッドを示す。
比較的貧しい発展途上国で起きていると考えればよい。
エチオピア、ナイジェリア、コンゴ民主、パキスタンが代表的。
若年人口の増加による経済成長が見込めるという利点がある一方で、食料不足、失業者の増加などの問題点もある。
対策として、家族計画の普及、女性の地位向上、社会保障の拡充がある。
人口爆発
原因
単に「人口爆発」と言う際、社会増ではなく、自然増によって人口が増えることを指す場合が普通です。
自然増によって人口が増えるということは、つまり、
- 出生率が高く
- 死亡率が低い
ということです。
高出生率・低死亡率は、人口転換の第二局面でみられる人口動態です。
つまり、
- 医療の充実・栄養状態の改善により死亡率が低下(特に乳児死亡率の低下)
- 出生率が依然高い(女性の地位が低い、文化的背景、未熟な社会保障制度、家族計画の普及の遅れなど)
という状態です。
メリット
- 労働力の確保→経済成長
当然ながら人口は若い方から増えていきますから、人口が増加するということは若い人が増えるということです。
ガンガン働き、子供を産み育て、家や車を買い、ガンガン消費する若い世代が増えることで、経済はどんどん成長していきます。
また、この時期は高齢者もまだ少ないので、社会保障負担が少なく、これも経済成長にとってプラスとなります。
デメリット
- 食料不足
- 環境破壊
- 雇用機会の不足
- (都市部で)スラム街の形成
これらは全部つながっています。
人口が急に増えるわけですから、食料生産が追いつかず、食料不足が引き起こされることがあります。
また、人口増加に伴う食料需要の増加に応えるため、無理に食料を増産しようとした結果、環境破壊に繋がることもあります(持続可能でない焼畑農業など)。
発展途上国では都市人口率が低いため、人口増加の中心は農村なんですが、その農村で食料が足りない、子供を食わせてやれないということになるわけです。
じゃあどうするかというと、家族の誰かが都市に出稼ぎに行くことになります。農村から都市への人口移動が起こるわけです。
しかし、発展途上国では産業が十分に発展していないことが多く、都市に行ったところで十分な働き口がありません。そのため、失業者が大量に発生することがあります。
まともな職にありつけず、あっても日雇いくらい。そんな状態では当然まともな家に住むこともできませんから、その辺の空き地に小屋を作って雨風をしのぐしかありません。スラムの形成です。
場合によっては、海外に出稼ぎに行くという事例もみられます。インド、フィリピンが代表的です。
対策
人口爆発を抑制するためには、出生率を下げればいいわけですから、
- 家族計画の普及
- 女性の地位・権利向上
- 社会保障の充実
が主な対策として挙げられます。