人口転換
簡単なまとめ
人口動態が、多産多死→多産少死→少産少死と移行すること。
- 多産多死・・・出生率・死亡率ともに高い
- 多産少死・・・医療・栄養状態の改善により死亡率は低下するが、出生率が依然高い
- 少産少死・・・出生率が下がり、出生率・死亡率共に低い
各フェーズ
多産多死
前近代的な人口動態です。
- 出生率が高い
- 死亡率も高い
- 特に乳児死亡率が高い
- 富士山型人口ピラミッド
- 人口増加率は場合によって上下
このようになる原因は、
- 劣悪な医療・衛生環境・栄養状態→死亡率(特に乳児死亡率)が高い
- 労働力の確保・老後の保障のため出生率が高い
- (気候条件・伝染病・戦乱等により人口は変動)
と考えられています。
現在ではほとんど見られません。
明治維新以前の日本が当てはまります。
多産少死
近代以降、発展途上地域にみられる人口動態です。
この段階で人口爆発が起こります。
- 死亡率が低下
- 特に乳児死亡率が低下
- 出生率は依然高い
- ピラミッド型人口ピラミッド
- 人口増加率が最も高い
という状態です。
このようになる原因は、
- 医療水準・衛生環境・栄養状態の改善→死亡率が低下
- 労働力の確保・老後の保障のため出生率は依然高い
と考えられています。
ほとんどの発展途上国はこの段階にあります。
第二次大戦以前の日本がこの段階でした。
少産少死
経済が十分に成熟した社会でみられる人口動態です。
- 出生率が低下
- 死亡率は依然低い
- 釣鐘型人口ピラミッド
- 人口増加率は低率若しくは増加なし
このようになる原因は、
- 女性の高学歴化・社会進出の増加→晩婚化・非婚化
- 家族計画の普及→出生率の低下
- 教育負担の増加→出生率の低下
と考えられています。
多くの先進国がこの段階です。
日本は、高度成長期以降この段階に移行しました。
少産多死
少産少死の状態が更に進行するとこの状態になります。
- 出生率がさらに低下
- 死亡率が上昇
- つぼ型人口ピラミッド
- 人口が減少
このようになる原因は、
- 少子化要因が解消しない→出生率の低下
- 高齢者の増加→死亡率の上昇
- 一人っ子政策(中国のみ)
と考えられます。
日本、イタリア、ドイツ、中国、アジアNIEsでみられる状態です。
ただし、経済発展によって必ずこうなるとは限りません。
例えば、北欧諸国やフランス・アメリカ合衆国などは、積極的な少子化対策や移民の受け入れによって少子化を食い止め、人口を維持しています。
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