アメリカの発展
概要
独立後のアメリカの発展についてのお話です。
大陸上の他国支配地の買収や、西への開拓により広大な領土を統一し、工業力を使った貿易で国際社会に参入していきます。
一方国内では奴隷制を巡った南北戦争が勃発しますが、解放を唱える北部の勝利で幕を閉じます。
時代
1789年 独立達成
1890年代 フロンティア消滅
1865年 南北戦争終了
場所
詳細
アメリカ合衆国の領土拡大
ワシントンを第1代大統領として独立を果たしたアメリカは、領土と権威の両側で存在感を示すようになります。
第3代大統領のジェファソンは、ミシシッピ川以西ルイジアナを、スペインから返却されていたフランスから買収し、スペインからフロリダを買収しました。
イギリスがナポレオン戦争の際、海上封鎖で通商を妨害したため、1812年に米英戦争が起こりました。
その結果、イギリスからの工業製品の輸入が途絶えたことで、アメリカ合衆国の工業化が促進されます。
第5代大統領のモンローは、大陸とアメリカ合衆国の相互不干渉を表明するモンロー宣言を発表しました。
第7代大統領のジャクソンは南部を基盤とする民主党を結成し先住民を保留地に強制的に移住させる政策を行います。
その結果「西漸運動」と呼ばれる西部開拓が加速されました。
また、1845年にテキサスを併合すると、メキシコとの対立が激化し、アメリカ=メキシコ戦争(米墨戦争)が勃発しました。
勝利したアメリカ合衆国は、メキシコからカリフォルニアなどを獲得しました。
1869年に最初の大陸横断鉄道が完成し、1890年代にはフロンティア(開拓地と未開拓地の境界)が消滅しました。
19世紀末には、アメリカ合衆国は世界一の工業国となり、東欧や南欧からの移民が増加し、のちの移民排斥運動を招くことになりました。
また外部への進出も盛んに行われ、日本をペリー派遣により開国させ、67年にはアラスカ買収などを行いました。
南北戦争
アメリカ合衆国南部は、奴隷制に賛成し自由貿易を求めていた一方、北部は奴隷制に反対し、保護貿易を求めていたため、南北の対立が生じていました。
1820年にミズーリ協定が結ばれ、北緯36度30分以北には奴隷を認める奴隷州を作らないと定められましたが、カンザス・ネブラスカ州について自由州か奴隷州かを巡り対立したのを契機に、奴隷制を巡る南北対立が決定的になりました。
1860年に民主党に対抗する、奴隷制廃止を唱えた共和党のリンカーンが大統領選挙に当選しました。
一方、南部諸州は連邦から分離しアメリカ連合国を作り、南北戦争が始まりました。
リンカーンは奴隷解放宣言を出して世論の支持を集め、ゲティスバーグの戦い以降北軍が優勢となり、1865年に南部の首都リッチモンドが陥落しアメリカ合衆国は再統一されました。
奴隷制はこれにより正式に廃止されましたが、解放された黒人に農地の分配が行われなかったため、黒人の多くはシェアクロッパーとして貧しい生活を送りました。
また一部白人による、黒人への迫害も続くなど、社会として解決したとは言えない状況でした。
南北戦争後、アメリカは工業化を進め第二次産業革命と呼ばれ、帝国主義政策を展開します。
第一次世界大戦には協商国側に途中参加し勝利すると、ダメージを受けたヨーロッパへの輸出、貸付で債権国となり、繁栄の時代を迎えます。