産業の空洞化
簡単なまとめ
製造業が海外に移転し、国内の産業が衰退すること。
特に、先進国から人件費の安い発展途上国に工場を移転する場合が多い。
先進国でよくみられ、日本でも近年顕著になっている。
失業者の増加、経済の衰退など、マイナスの要因が多い。
産業の空洞化
製造業が外国へ流出し、国内の産業が衰退すること。
先進国でよくみられる現象。
原因
人件費の高騰が主な原因。
先進国では人件費が高く、人件費の安い発展途上国で生産した方がコストが低い。
この結果、企業は工場を海外へ移転し、先進国では製造業が衰退する。
影響
- 産業の衰退
- 失業者の増加
- 技術の流出
が主な影響。基本的に良い影響はない。
工場が海外に移転するため、当然雇用が失われる。そのため、失業問題や税収の減少を招き、地域経済の停滞につながる。
また、生産技術が海外に流出し、国家の技術的な競争力も低下する。
日本
日本では、1980年代から企業の海外移転が顕著になり、現在では産業の空洞化がかなり進行している。
アジアNIEsや東南アジアの台頭、中国の改革開放政策をきっかけに、特に労働集約的な電気機械が中国や東南アジアに流出した。
また、日米貿易摩擦などをきっかけに、自動車工業も、北米を中心に現地生産を進めて日本国内の生産台数は減少した。
追い打ちをかけたのが2010年代の超円高。2011年には1ドル=75円30銭台を記録し、輸出企業に大打撃を与えた。
これをきっかけに、円高リスクを恐れて海外移転が加速。輸出の減少・輸入の増加により、それまで日本は貿易黒字国だったが、慢性的な貿易赤字国に転落した。
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