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ソルベー法


概要

炭酸ナトリウム()の工業的製法をソルベー法(アンモニアソーダ法) という。全体の流れは以下の通り。

アンモニアソーダ法_02.png

全体をまとめた反応式は以下の通り。

途中で出てきた二酸化炭素()やアンモニア()を回収して再利用しまくることで、効率よく作っているのがポイント。無駄を減らしていて、とてもサステナブル。

詳細

では、上のステップ①〜⑤のそれぞれの反応を詳しく見てみよう!

ステップ①

塩化ナトリウムの飽和水溶液に、アンモニアを吸収させて、二酸化炭素を吹き込むと、以下の反応で炭酸水素ナトリウム( の沈殿が生じる。

※ ちなみにアンモニアを加える理由は、水溶液を塩基性にして炭酸(二酸化炭素+水)との中和反応が起こるようにすることで、二酸化炭素の溶解量を大きくして、溶液中の の濃度を上げるため。

ステップ②

ステップ①で沈殿した炭酸水素ナトリウムを加熱して分解することで、炭酸カルシウム( を得る。

※ ここで一緒に生じた二酸化炭素()は回収して、ステップ①で再利用する!

ステップ③

炭酸カルシウム()を加熱して分解することで、酸化カルシウム( を得る。

※ ここで一緒に生じた二酸化炭素()も回収して、ステップ①で再利用する!

ステップ④

ステップ③で生じた酸化カルシウム()を水に溶かして、水酸化カルシウム()を生成する。

ステップ⑤

ステップ④で生じた水酸化カルシウム()と、ステップ①で生じた塩化アンモニウム()を混合して加熱することで、塩化カルシウム( を生成する。

※ これは弱塩基の遊離反応である点に着目。つまり、アンモニア()によりできた塩(塩化アンモニウム)に、強塩基である水酸化カルシウムを加えると、強塩基はどんどん電離して水酸化物イオン を出し、 は喜んで水酸化物イオン と結びつきアンモニアに戻ろうとする。なので、反応が進む。

※ ここで一緒に生じたアンモニア()は回収して、ステップ①で再利用する。

まとめ

以上、ステップ①〜⑤の反応をまとめると、ソルベー法の工程をまとめた全体の反応は以下の通り。

※ ステップ①の式を 倍して、その他の式は単純に足せば、二酸化炭素やアンモニアを消去できて、この式が出てくる。この式は頭に入れるとともに、いつでも作れるようにしておこう!

最後に全体のイメージ図をもう一度貼っておく。

アンモニアソーダ法_02.png

補足

ベルギーの工業家のソルベーさんが実際に反応塔を作り、この工業化に成功したことから、「ソルベー法」と呼ばれる。

また、ステップ①で見た通り、「アンモニア」をうまく活用して反応を進めていることと、作っている炭酸ナトリウム()が「ソーダ灰」とも呼ばれることから、「アンモニアソーダ法」という美味しそうな名前でも呼ばれる。

また、ややこしいので、他の工業的製法の名称もまとめて押さえておこう。

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