地下水
地下水
地下にたまっている水。
地上にある陸水よりもはるかに量が多く、世界各地で農業や工業、生活用水など幅広い用途に利用されている。
地下水の汲み上げ過ぎによる地盤沈下など、環境問題も起こっている。
地下水の種類
地下水には、自由地下水と被圧地下水がある。
不透水層の上にあるのが自由地下水、下にあるのが被圧地下水。
不透水層は、粘土などの細かい土でできた地層で、水を通さない。
言ってみればゴム板のようなもので、水を通さない層の下にある帯水層は、上に大量の土砂が乗っているため非常に強力な圧力がかかり、被圧地下水と呼ばれる。
自由地下水
不透水層上に溜まっている地下水。掘り抜き井戸を用いて取水される。
比較的浅い所にあるため、世界各地で古くから利用されてきた。
自由地下水は自噴せず、ポンプ等を用いて汲み上げる必要がある。
被圧地下水
不透水層の下にある地下水。
ほとんどは太古の昔に蓄えられた水で、数万年前の水が蓄えられていることもある。
一般的に水量が多く、灌漑など農業用水、工業用水としての利用が多い。
オーストラリアの大鑽井盆地(グレートアーテジアン盆地)、アメリカ合衆国のオガララ帯水層などが代表的。
地下水面が高いと自噴することがあり、大鑽井盆地はこれを利用して開発が進められた。
環境問題
人間による地下水の汲み上げにより、さまざまな環境問題が発生している。
地盤沈下は代表的なもので、日本でも東京都の江東区周辺や大阪市など、海面より低いゼロメートル地帯がこれにあたる。高度成長期以降、主に工業用水として過剰揚水が行われた結果、地盤沈下が発生した。
地下水の枯渇は、主に乾燥地域での灌漑によっておこる。降水量の少ない地域での灌漑には大量の水を必要とするため、大量に地下水を取水する必要がある。特に米国のグレートプレーンズでこれが顕著で、地下水位の大幅な低下が問題となっている。