熱力学第一法則
概要
ある状態から別の状態に変化する際に、気体が熱量を
これを熱力学第一法則という。これは要するにエネルギー保存則なのだと理解をして、符号を間違わないことがとても大事。実はこの
熱というのは、物体に出入りして、状態に変化をもたらすエネルギーの流れで、熱
また、力学の範囲で学んだように、仕事はエネルギーと同じ単位
つまり、熱を受け取り、仕事をされると、エネルギーはその分増えるよね、というのが、この熱力学第一法則が言っていることになる。まずはこれを理解しよう。
よって、ここでは気体が吸収した熱量を
であることが確かに納得できる。(ピンと来ない方は、
じゃあ気体が放熱した場合や、外部に対して気体が仕事をした場合は、この式は使えないのか?と不安になるが、それらは、
ただ、正負がこんがらがるとややこしいということで、気体の仕事に関しては、以下のように別の表現を取ることもよくある。
別表記
上のイメージを持っておけば、気体が外部にする仕事を
となることがすぐにわかる。熱量
これと一番上の式は全く同じことを言っている(正負の取り方を変えて、符号で調整しただけ)ので、自由に使い分けられるようにしよう。
例
【問1】気体が
【答1】意味を考えると、すぐに
※気体が
なので、
と求められる。
もちろん別表記を用いて、
と考えてもOK。
【問2】気体が
【答2】意味を考えると、すぐに
※気体が
なので、
と求められる。
【問3】気体がある状態からある状態へ変化したときに、外部に
【答3】問題文から
なので、熱力学第一法則を考えると、
と求められる。この
もちろん別表記を用いて、
と考えてもOK。
補足
例題
と言う形で用いることも多い。これは、内部エネルギーの変化や、された仕事を別の方法で求めて、それを用いて、吸熱量を求める、という使い方をする。
また、熱力学は、状態方程式と熱力学第一法則が全てといっても過言ではない。これらは、力学で言うところの 運動方程式と保存則(エネルギー保存則・運動量保存則)の関係に相当する。
つまり、状態方程式は、各状態について気体に成り立つ法則。熱力学第一法則は、