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疎水コロイド


概要

「疎水コロイド」とは、コロイド粒子が帯電して反発することで分散しているコロイドのこと。コロイド粒子サイズ()の結晶などが特殊な構造になることで表面が帯電し分散します。

疎水コロイド_1.png

疎水コロイドに少量の電解質を加えると、電荷が打ち消されてしまい分散質が沈殿する「凝析」が起こります。

詳細

親水コロイド」は、粒のサイズは大きいけど大量の水に水和されることで水に分散しているのに対し、疎水コロイドは帯電したコロイド粒子が互いに反発することで分散しています。水和しないのに水に溶ける珍しい奴ですね。

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なぜ帯電するかはめちゃくちゃ難しい話なので、大学入試レベルで出題されることはありません。ただ気になる人向けにを具体例に少しだけ説明しておきます。

イオン結晶のが以下のようにコロイド粒子サイズになったとします。この結晶内ではが多いので、粒子の表面にが露出しやすいです。

疎水コロイド_3.png

そして水中のがこれに引き寄せられると、表面がでコーティングされたような結晶になります。この電荷によってコロイドサイズの結晶たちが反発し、コロイド溶液となります。

疎水コロイド_4.png

また疎水コロイドに少量の電解質を加えることでコロイド粒子が沈殿する「凝析」が起こります。電解質が電離すると陽イオンと陰イオンが生まれ、このうちコロイド粒子の電荷と逆向きのイオンがコロイド粒子に近づき、電荷が打ち消し合うことで分散できずに沈殿してしまうわけです。

補足

  • 疎水コロイドの分散質表面は「電気二重層」と呼ばれる状態になっています。物理学者のパウリが「固体は神が創りたもうたが、表面は悪魔が創った」と言ったように、コロイド粒子表面は超複雑なことが起こっています。入試レベルではとりあえずそんなもんかくらいに覚えておくのがベターです。

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