トルコ、イラン、イラクの三か国にまたがって居住する山岳民族で、多くはイスラム教スンニ派を信仰している。
国を持たない世界最大の少数民族ともいわれ、各国で少数民族として迫害、弾圧を受けている。
の四か国にまたがる山岳地帯に居住している。この地域をクルディスタンともいう。
(赤枠の地域。国土地理院 標準地図をもとに筆者編集)
クルド人が住む山岳地帯は各国の水源地帯ともなっているため、クルド人が独立してしまうと水源を握られることになってしまい、政治的にクルド人より弱い立場となってしまう。
このような水資源問題も重なって、クルド人の独立はいっそう困難になっている。
トルコではクルディスタン労働者党(PKK)が独立運動を主導し、テロやゲリラ戦などの武装闘争を展開。トルコ政府もこれを強硬に抑え込み、激しく対立してきた。武装闘争による死者は40年で約4万人にのぼり、きわめて激しいものだった。
ところが、2025年にPKKは解散と武装解除を宣言。緊張緩和が一挙に進んでいる。
日本に居住するクルド人は、トルコ出身のクルド人がトルコ政府に迫害されていると主張して難民申請を行っていることが多い。
(PKKの兵士たち。wikimedia commons)
フセイン時代から少数民族として迫害を受けている。
2017年にはクルド人地域政府が独立の是非を問う国民投票を実施したが、イラク政府や国際社会の激しい反発により頓挫。独立に向けての動きは進んでいない。
シリアのクルド人はシリア内戦にクルド人勢力として参戦し、ISILの排除に貢献した。
2025年、クルド人勢力はアサド政権崩壊後の暫定政府の傘下に入ることで合意した。今後の展開が注目される。
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