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人種


定義

人種とは、人間を身体的特徴に基づいて分類したものです。ここがめちゃくちゃ大事です。本当に大事です。太字のところを絶対に覚えておいてください。民族の項で非常に重要になります。

「身体的特徴」とは、肌・髪・目の色、骨格などを指します。これにより、人類は

  • コーカソイド(白人)
  • ネグロイド(黒人)
  • モンゴロイド(黄色人種)
  • オーストラロイド

の四種類に分けられます。

これが古典的分類ですが、近年ではこの分類には意味がないという意見もあり、人種差別の問題も相まって少々デリケートな話題になりがちなので扱いには注意が必要ですね。

各分類の特徴

コーカソイド

白色人種ともいいます。

身長が高く、肌や髪、虹彩は明るい・薄い色になることがあり、鼻は高く、眼窩はくぼんでいて、凹凸の大きい顔立ちが特徴です。

世界各地の広範囲に分布しています。がんばって塗ったのでぜひ覚えてくれると嬉しいです。

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旧大陸のコーカソイドは、西はヨーロッパ北アフリカから東は北インドまで帯状に分布しています。そして、後世にロシア帝国がシベリアへの入植を進めたためシベリア鉄道に沿ってヨーロッパロシアからロシア人が移住し、分布を東に広げています。

新大陸のコーカソイドの起源は、全て旧大陸(主に欧州)から入植した人々です。アメリカ合衆国の大部分、カナダ南部、南米南部、オーストラリア沿岸部、ニュージーランドに分布します。忘れられがちなのが南米の南部(アルゼンチン・ウルグアイ・ブラジル)で、アルゼンチンに至っては人口の約9割が白人です。スポーツの世界大会があったら注意して見てみてほしいのですが、アルゼンチン代表はだいたい白人のはずですよ。

ネグロイド

黒色人種とも言います。

肌が黒く、低い鼻、厚い唇、巻毛などが主な特徴です。

サハラ以南のアフリカを原住地とし、そこから世界各地に広がっていきました。と言っても、黒人の移動の多くは自主的なものではなく、奴隷貿易による移動が多くを占めています。

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17世紀以降、大西洋三角貿易により大量の黒人がアメリカ大陸に流入しました。

北米では綿花栽培が盛んだった南部に特に黒人が多く、中南米では熱帯地域でのサトウキビ栽培などに奴隷が用いられました。

現在でも黒人の割合が高いのは主にカリブ海の島々です。ハイチは今でも人口のほとんどを黒人が占める黒人国家ですし、そのほかの島国でも黒人や、黒人と白人の混血であるムラートが多く分布しています。

モンゴロイド

黄色人種とも言います。

黒髪黒目、直毛、黄色みがかった肌の色などを特徴とします。

もともとは東アジアに住んでおり、シベリア、東アジア、東南アジア、アメリカ大陸に分布しています。

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15世紀までのモンゴロイドの分布を薄い黄色、現在の分布を青で塗ってみました。注目してほしいのはアメリカ大陸です。    近世以前はモンゴロイドはアメリカ大陸全域に分布し、独自の文明を発展させていましたが、近世以降ヨーロッパ人の入植・開発によって環境は大きく変わりました。ある者は土地を追われ、ある者は強制労働させられ、ある者は白人支配に抵抗を続けました。

アメリカ合衆国領では先住民はインディアンと呼ばれ、ほとんど駆逐されました。中米では、先住民はほぼ絶滅しました。一方で、北米北部の寒冷すぎる地域、中南米の高地で不便な地域など白人の入植が進まなかった地域では、白人との混血を進める者もありましたが、先住民は生き残り、現在へと命脈を保っています。現在でも、ボリビアペルーなど高地が国土の多くを占める地域では先住民が最大の勢力を持っています。

オーストラロイド

知名度がイマイチでピンと来ないかもしれませんが、主にニューギニアやオーストラリアに分布しています。オーストラリア先住民のアボリジニがこれにあたります。

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勘違いされやすいのですが、ニュージーランドのマオリ族はポリネシア系なので、純粋なオーストラロイドではなく、モンゴロイドとオーストラロイドの混血です。距離は近いですが、オーストラリアとニュージーランドは全く異なる文化的背景を持っているので注意しましょう。この辺の詳しい話は後ほど地誌でしていきます。

混血

当然ながら、人間の移動が進んだ現在では人種間の交流も増え、混血も無視できない勢力になっています。受験地理では、中南米の混血を押さえておけば問題ありません。

中南米には、もともと住んでいた先住民、入植してきた白人、奴隷として連れてこられた黒人と、多様な人種が住んでいます。そのため混血も進み、現在南米大陸の多くの国では混血が最大勢力になっているのです。 中南米では混血の特徴的な呼び名があり、

  • 白人×先住民・・・メスチソ
  • 白人×黒人・・・ムラート

と呼ばれます。黒人と先住民の混血をサンボとも呼ぶのですが、差別的な意味合いも含まれており、あまり積極的に用いられていません。

モンゴロイドの項で述べたとおり、先住民は中南米の高地に多く残っているため、メスチソもその地域に多く見られます。具体的にはメキシコやチリ、コロンビア、エクアドル、ペルーなどです。特にチリは割合が高く、メスチソは全人口の実に約9割を占めます。

一方でムラートは、黒人奴隷が多く移入された地域でみられます。具体的にはカリブ海のドミニカ共和国、南米のブラジルです。ブラジルは、南米では例外的に黒人奴隷を大量に受け入れ、サトウキビ栽培などに使役していたことが大きな要因です。

大まかな分布を地図に書き込んでみました。あくまで大雑把に示しただけなので、例外もあります。が、理解の一助になればと思い提示します。鵜呑みにはせず、「だいたいこんなもんなんだな~」と、雰囲気だけ掴んでおいてください。細かいことは地誌でまた扱います。

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