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民族


民族

民族とは、なんでしょうか

日常的に耳にする言葉ですし、私たちも使うことがあるでしょうが、意外と皆さん雰囲気で使っているのではないかと思います。正確に説明しろと言われてできる人はあまりいないんじゃないでしょうか。

人種は説明しましたね。身体的特徴で分類した人類の集団のことでした。では民族は?

民族の定義は、「言語・宗教などの文化的・社会的特徴によって分けられた人類の集団」です。

僕としては、皆さんにはぜひこれを覚えて帰ってほしいと思っています。単なる入試対策としてではなく、たいせつな教養として持っておいてほしい知識です。差別だのなんだのと敏感な時代ですが、そもそもの正確な前提知識がなければただのヒステリーになってしまいかねません。正確な知識を持っておく必要があると思います。

重要なのは、「社会的・文化的特徴によって分けられた」というところです。身体的特徴は一切関係ないのです。社会的・文化的特徴の最も顕著な例は言語宗教ですから、民族は主に言語と宗教によって分類されます。

国籍、人種、民族。ほぼ単一民族国家と言っていい日本では、この境界が曖昧になりがちですが、今一度この言葉の意味の違いを確認しておきましょう。

国籍とは、人が特定の国の構成員であるための資格をいいます(法務省による)。

人種とは、身体的特徴によって分けられた人類の集団です。

民族とは、文化的・社会的特徴によって分けられた人類の集団です。

この三つの違いがよくわかる例がスポーツ選手によくみられます。分かりやすい例として、NBAで活躍されている八村塁選手と女子テニスの大坂なおみ選手の例を考えてみましょう。

八村選手は国籍は日本なので日本人ですし、日本語を話すので日本民族です。アフリカ系の身体的特徴を強く持っているためモンゴロイドではなく、平均的な「日本人」とは見た目は明らかに違いますが、れっきとした日本人かつ日本民族です。

一方、大坂なおみ選手はどうでしょうか。彼女は国籍は日本に置いているため間違いなく日本人と言えます。しかし、日本語を母語とはしておらず、日本語を自由に話すことはできません。これでは、いくら国籍が日本だからと言って日本民族だということはできないのです。また、人種としてもネグロイドに近いですね。

国籍、民族、人種の違い、お分かりいただけたでしょうか。

まとめ

民族の定義、確認してみましょう。もう言えますか?

定義は、「言語・宗教などの文化的・社会的特徴によって分けられた人類の集団」です。

基本的に、民族は言語・宗教で分けられます。同じ言語でも宗教が違えば別の民族であると言われることもあります。

私が皆さんに知っておいてほしかったのはこれだけです。これだけわかれば十分です。

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