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永久凍土


定義

2年以上凍結した状態が続いている土壌

成因

氷河に覆われていない土壌が、強く冷やされてできた

シベリア東部は降水量が少なかったため、大陸氷河が形成されなかった。

その結果、氷河に覆われなかった地面が直接、非常に冷たい空気に触れることになり、氷河に覆われている場所より地面が強く冷やされ、土壌が凍結した。

分布

主にシベリア東部、アラスカ、カナダ北部に分布。

シベリアでは、永久凍土の分布とDw気候の分布がほぼ一致する。

Frozenground.gif (紫色の部分が永久凍土の分布域)

人間の生活

永久凍土の存在は、人間生活にも大きな影響を与えてきた。

地面に熱が伝わると、凍土が融解し地盤がゆるみ、建物が傾くなどの被害が出る。

これを防ぐため、地面に建物の熱が伝わらないよう、建物や水道管、パイプラインなどは高床式となっている。

スクリーンショット 20231229 205005.pngちとにとせさんより)

永久凍土の融解

シベリアでは、近年の地球温暖化による永久凍土の融解が大きな環境問題となっている。

永久凍土が融解すると、

  • 地中に閉じ込められていたメタンガスが放出され、地球温暖化を促進
  • 沼地化し、森林の再生が困難になる
  • 地面が陥没する

などの環境問題が発生している。

永久凍土の融解には、シベリアで盛んな林業も関係している。

樹木を伐採すると、地面に直射日光があたる。その結果地表の温度が上がり永久凍土が融解してしまう

永久凍土が融解すると、地面がぐちゃぐちゃになって沼地のようになってしまい樹木の生育が難しくなってしまう

補足~シベリアとカナダの永久凍土の相違

さっき、シベリア東部は氷河に覆われなかったから凍土ができたと言いましたよね。でも永久凍土はカナダ北部にも分布している。

カナダの説明してねーじゃん、って気付いた方、鋭い。

実は、シベリア東部とカナダ北部では成因が違うんですね。カナダ北部での凍土の形成過程は大学入試では問われないので、高校地理では説明されないだけです。

カナダ北部で永久凍土が形成された原因は、実は温暖化なんです。

もともとカナダ北部は大陸氷河に覆われていたのですが、温暖化によって大陸氷河が融解し、地面が露出するようになりました。

その結果、氷河に覆われていた時期よりも地面が強く冷やされることとなり、土壌が凍結して永久凍土が形成されたのです。

土壌が凍結するには、露出した地面が強く冷やされることが必要なのは共通ですが、地面が露出した理由が違うということですね。

この形成過程・形成時期の違いが影響し、シベリアとカナダでは永久凍土の厚みが全然違います。シベリアでは500メートルにわたって土壌が凍結している場所もある一方、カナダでは約100メートル前後の場所が多いということです。

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