概要
帯電した物体がもつ電気を電荷といい、単位にはクーロン が用いられる。クーロンがどういう単位か、下の補足で詳しく扱う。クーロンは人の名前。
大きさが無視できる小さな点状の電荷を点電荷といい、 つの点電荷の間には力がはたらき、それを静電気力(クーロン力) という。その力の大きさは、それぞれの電荷の電気量の積に比例し、距離の 乗に反比例することを、クーロンさんが実験により確かめた。これをクーロンの法則とよぶ。(ちなみに、電気量は電荷の絶対値のこと)
式で表すと、、 の つの点電荷が距離 離れているときに、両者にはたらく静電気力 は、
で表される。注意点が 点。
- や は負の値でもOKで、 静電気力は、それぞれの点電荷について遠ざかる方向を正として考えれば、この式 つで引力も斥力も表せる(※)
- 両者に同じ大きさの力が逆向きにはたらく、ここでも作用反作用の法則に従うことに注目
この比例定数 は、電荷の周囲の状況によって異なり、真空中では であると測定されている。
(※)下の図で確認しよう。上が斥力の場合で、下が引力の場合。電荷の符号によって静電気力の符号も決まり、自動で向きが決まるイメージ。

補足
動画でイメージしたい!という方は、みっきーさんの動画や、物理屋naoさんの動画がオススメ。
電荷の単位について、 クーロン は、 アンペア の電流が 秒 間に運ぶ電気量として定義されていたが、実は 年にアンペア の定義が改定されていて、それにより、クーロン もアンペア も定義された定数から直接構成されるようになった。(興味ない方は飛ばしちゃってください)
まずは、電気素量 (電気量の最小単位のことで、 つの陽子がもつ電荷の大きさ)の値を
と定義する。この定数を用いると、 クーロン は
となり、 アンペア は 秒 間に電子が
通過したときの電流を表す。このような新しい定義においても、
という単位間の関係式は引き続き成り立つ。
クーロンさんがこの法則を見つけた年は、イギリスが世界最古の日刊新聞「タイムズ」が創刊されたことでも有名。タイムズファンの方は押さえておこう。