【 note : https://note.com/yaguchihappy 】
独立の関係にある遺伝子の遺伝について講義します。遺伝子型AaBbの生物がたくさん減数分裂を行うと、4種類の配偶子が均等に生じます。減数分裂を自分で描けるようになることが何より大切です。
●注目している対立遺伝子(A[a]とB[b])が別々の染色体にある場合、「独立の法則」が成り立つ。
→A[a]とB[b]は互いに影響されずそれぞれ独立して自由に組み合わさって配偶子に分配される。
●たとえばA[a]とB[b]が独立の場合、遺伝子型AaBbの個体からは4種類の遺伝子型の配偶子が生じる。
AaBb → AB、Ab、aB、ab
●独立の法則:配偶子形成において、異なる遺伝子座の対立遺伝子は互いに独立に各配偶子に分離すること(異なる対の対立遺伝子の分離は独立に起こる)。もちろん注目する遺伝子が同一の染色体上にある場合(連鎖している場合)は成り立たない(この法則は普遍性に欠ける)。
●遺伝に関する説明として、かつて「遺伝の融合説」が広く信じられていた。この仮説によれば、両親のもつ遺伝的な形質は、(まるでドリンクバーで2種のジュースを混ぜ合わせるように、2色の絵の具をパレット上で混ぜ合わせるように)混合され、元に戻ることはない。したがって、自由に交配できる生物集団においては、長い世代が経過すると、均一な個体の集団になっていくはずであるが(はじめ何種類かのジュースが個別にあっても、ランダムな混ぜ合わせを繰り返していけば、いつかはどれも同じような味になる)、現実は異なる(兄弟姉妹でも似ていないことはよくある)。融合説に代わる仮説を提唱し、現代遺伝学の基礎を築いたのは、メンデルという一人の司祭(アウグスチヌス派聖トーマス修道院の司祭、のちに修道院長)であった。彼は1865年に論文を発表し、遺伝の法則を提唱したが、その価値は当時認められなかった。彼の発見した遺伝の法則は、1900年に、ド=フリース(オランダの植物生理学者、進化は突然変異によって進行するという説[突然変異説]の提唱者)、コレンス(ドイツの植物遺伝学者)、チェルマク(オーストリアの植物遺伝学者)によって再発見された。
「観賞用植物で新しい色の変わり種をつくることを目的として行われる人工授精が、これから述べる実験のきっかけとなった。同じ種類の間の受精が起こるたびに同じ雑種型がいつも繰り返し現れるときに見られる顕著な法則性に刺激されて、雑種が後々の子孫でどのように展開するかを追跡するためにさらに実験を行うことになった。・・・今や問題は基本的には解決している。」メンデル『雑種植物の研究』より
問題:遺伝子型AaBbの個体がつくる配偶子の遺伝子型とその分離比を答えよ。ただし、A(a)とB(b)は染色体上に独立に存在する。
答え:AB:Ab:aB:ab=1:1:1:1
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