【 note : https://note.com/yaguchihappy 】
遺伝について講義します。基礎的・基本的な内容を扱います。
*優性、劣性の語は、それぞれ顕性(けんせい)、潜性(せんせい)に変更されつつある。
様々な特殊な遺伝については、noteで解説している。
https://note.com/yaguchihappy/n/n0d5f5a810d32
*表現型[A]の[ ]は、問題文で使ってよいと言われない限り使ってはいけません。これは一種の省略記号で、たとえばAが「酵素Xを合成することができる遺伝子」だった時、いちいち「酵素Xを合成することができる表現型」と書くのが面倒なので、[A]と書くことで「酵素Xを合成することができる表現型」を省略して表記することができるのです。
(Aがaに対して)。AとBが優性の場合、遺伝子型AaBbの個体の表現型は[AB]と表記します。[AB]は「遺伝子Aの支配する形質と遺伝子Bの支配する形質を表現型として持つ個体」と言う意味です。
●遺伝用語解説
◯遺伝子座:染色体上においてそれぞれの遺伝子が占める位置のこと。
◯連鎖群:相互に連鎖を示す遺伝子の一群。一般に、連鎖群の数は半数染色体数(n)に等しい。(ただし、性染色体をもつ場合、連鎖群の数は半数染色体数+1となる。)
◯ 接合子:接合体ともいう。2個の配偶子が接合して生じた細胞のこと。卵と精子の融合により生じた受精卵は接合子とされる。
◯核相:核の染色体数の構成。1組の染色体をもつものを単相(n)、2組もつものを複相(2n)とよぶ。2n=4は、相同染色体を対に持っていて(2n)、全部で4本の染色体を持つという意味。n=3は、染色体が対になっていなくて(全部バラバラの大きさで)、全部で3本の染色体を持つという意味。
◯ 形質:生物のもつさまざまな性質のこと。形、色、大きさのように目に見えるものから、薬剤耐性のように目に見えないものまで含まれる。定義は定まっていないが、一般に、単一の遺伝子の変化により変わるものは、その遺伝子の表現型と呼ばれる。
◯優性:ある遺伝子座において、複数の対立遺伝子(例えばA1とA2)が存在するとき、ヘテロ接合体(A1A2)の表現型が、どちらかの対立遺伝子(例えばA1)のホモ接合体(A1A1)の表現型と一致するとき、その対立遺伝子(A1)の他方(A2)に対する関係をいう。
◯対立遺伝子:対立形質を支配する遺伝子。
◯対立形質:同時に現れることのない形質。種子の丸としわなど。
◯染色体の乗換え:交叉ともいう場合がある。減数分裂において相同染色体の間に部分交換がおこる現象。
◯遺伝子の組換え:同じ染色体の上にある遺伝子が、染色体の交叉によって組み換わる現象。
◯姉妹染色分体:DNA複製を終えた1本の染色体を構成している2本の染色分体のそれぞれを指す。(複製を終えて、2倍に膨れ上がった染色体の半身を指す。減数分裂第二分裂で縦裂し、別々の細胞に別れる。)
◯分離の法則:対立形質を支配する1対の対立遺伝子が、雑種第一代(F1)の個体の中で融合することがなく、配偶子が形成されるときに互いに分かれて別々の細胞に入ること、各配偶子には等しい確率で一つの対立遺伝子が分配される。メンデルの法則の一つで、最も重要なものである。
◯優性の法則:雑種第一代(F1)において二つの対立形質のうち、いずれか一方だけが現れること。メンデルの法則の一つ。この表現される形質を優性、隠されている形質を劣性と呼ぶ。
F1の形質が両親の中間になる場合も数多く発見されている(そのような場合は不完全優性といい、中間雑種という)。
また、三つ以上の対立遺伝子が関与する場合、それらの遺伝子を複対立遺伝子という。たとえば、ABO式血液型の決定に関わる遺伝子において、Aと BとOは複対立遺伝子であり、Aと Bは不完全優性の関係にある。(遺伝子型ABの人は、A型にもB型にもならずAB型になる)
現実にはむしろ、厳密に、完全に優性の法則を示す例の方が少ない。
◯独立の法則:異なる染色体に存在する遺伝子について、互いに独立に配偶子に分配されるという法則。メンデルの法則の一つ。
同一染色体上に存在する遺伝子の間では通常連鎖がみられ、組合せが独立に起こらない。この点、分離の法則と異なり、独立の法則は普遍性に欠ける。
●高校生は気にしなくてよいが、組換え価が50%を超えないのは、少ない回数、ランダムな染色分体間で交叉がおこるからである。
ニ価染色体は4本の染色分体からできている(複製された染色体ひとつひとつを指して姉妹染色分体という。2本あった染色体が、どちらも複製されて2倍に膨れ上がっているから、姉妹染色分体が2セット、つまり染色分体が4本できていることになる)。
この4本の染色分体において、ランダムに染色体の乗換えが起きるとした場合、理論上(統計上)、組換え価は50%を超えないことが知られているし、実際そのように観察される。
●一時期、メンデルの実験結果が理論値に一致しすぎていることが議論になったことがある。しかし、現在ではメンデルの実験結果に問題はないとされている。
減数分裂のグラフ
• 減数分裂に伴うDNA量の変化 高校生物
染色体の乗換え、遺伝子の組換え
• 染色体の乗換え・遺伝子の組換え 高校生物
F2の自家受精
• 【遺伝】集団の自家受精(F3の分離比) 高校生物
自由交配
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• 遺伝【独立の場合】 高校生物
組換え価と遺伝子間距離 乗換え
• 染色体の乗換え・遺伝子の組換え 高校生物
核相
• 核相、染色体の構成 高校生物 #Shorts
0:00 タイトル
00:05 重要用語の確認
02:50 遺伝子型AaBb同士の交配
03:21 独立の場合
09:36 完全連鎖の場合
13:08 不完全連鎖の場合
18:21 検定交雑
22:44 補強問題
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