【 note : https://note.com/yaguchihappy 】
筋繊維(筋細胞)と筋原繊維、筋収縮について講義します。
語呂「あんた、変わらないね(暗帯の長さは変化しない)」
●ミオシンフィラメントの存在する部分は、暗帯(あんたい)として観察される(資料集でサルコメアについて調べよ)。収縮の前後で暗帯の長さが変化しないことから、収縮の前後でミオシンフィラメントは縮んでいないと考えられる。現在では、アクチンフィラメントとミオシンフィラメントの間の"滑り"により、筋収縮が起きると考えられている(そのような説を滑り説という)。
*滑り説の詳しい解説はこちら↓
• 滑り説・アクチンフィラメント・ミオシンフィラメント【筋収縮】 高校生物
*サルコメアと張力のグラフの解説はこちら↓
• サルコメア(筋節)の長さと張力のグラフ【筋収縮】 高校生物
*筋収縮についての詳しい講義はこちら↓
• 筋収縮 高校生物
問題:筋収縮の前後で長さが変化しないものを選べ。
①明帯 ②暗帯 ③サルコメアの長さ(隣り合うZ膜の間の距離)
答え:②
(サルコメアが短くなるので筋肉が収縮する。明帯は、アクチンフィラメントの、ミオシンフィラメントと重なっていない領域なので、収縮が起きると、フィラメント同士が重なり合い、明帯は短くなる。資料集で確認せよ。)
●胚発生の過程において、骨格筋の細胞は、100個あるいはそれ以上の筋芽細胞と呼ばれる細胞が融合して出来上がる。だから骨格筋の細胞は多核なのである。
●神経筋接合部では、たくさんのアセチルコリンが分泌され、ニューロンから筋肉へ「収縮しろ」という信号を伝えている。アセチルコリンは、アセチルコリンエステラーゼという酵素によって速やかに分解される。そうすることでオンになったスイッチを、オフに戻すのである。
●サリン (メチルホスホノフルオリド酸イソプロピル)は化学兵器用剤の神経ガスである。1930年代からドイツにおいて殺虫剤の開発の中で開発された。サリンは1994年の松本サリン事件、1995年の東京地下鉄サリン事件でテロに使用された。サリンなどの神経ガスはコリンエステラーゼ活性阻害作用を有し、極めて毒性が高い。
●筋収縮の測定について
◯1回の刺激による収縮を単収縮という。
◯1秒に5回程度の刺激を与えた時の収縮を不完全強縮という。
◯1秒間に30回程度の刺激を与えた時の収縮を強縮という。
◯ドラムを回転させて、筋肉の縮むようすを記録する装置には、ミオグラフとキモグラフがある。ミオが筋肉、キモが波という意味である。
◯キモグラフが低速回転、ミオグラフが高速回転である。
◯単収縮をミオグラフで記録すると、潜伏期、収縮期、弛緩期がよくわかる。
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