【 note : https://note.com/yaguchihappy 】
分子時計に関する問題について解説します。
●分子時計(進化時計ともいう)は、情報分子であるタンパク質やDNA分子の定速的な変化(または変異が蓄積する速度の一定性)を指す。分子時計的な変化としては、アミノ酸や塩基の置換がよく知られている。
●塩基配列やタンパク質の種類ごとに、変化する速度は異なる。重要な塩基配列や重要なタンパク質のアミノ酸配列ほど、変化する速度が「遅い」ということがわかっている。重要なものが変化してしまうと生存できなくなってしまう、というイメージを持っておくと良い(生存に重要な領域は、すでに最適化されており、そこに欠陥を生じた個体は排除されるので、配列は保守的になる、というイメージ。対して、遺伝子以外の領域にある、どうでもいい、使っていない配列は、ランダムな変異を容易に受け入れ、急進的に変化していくイメージ)。
●特に断りのない限り、種AとBそれぞれで、均等にアミノ酸の変化が起こるとしてよい(それが、生物種に関わらず配列が一定の速度で変化していくという、分子時計の考え方である)。すなわち、種AとBの持つ、あるタンパク質のアミノ酸配列の種間の違いが5箇所の場合、共通祖先から分岐した後、種AとBでそれぞれ2.5個(5を2で割った)ずつアミノ酸の変化が起こったと考えて計算して良い。
●現実には、アミノ酸の鎖(ポリペプチド)が長くなったり短くなったりする変化もあり得る。
●少し難しい問題はnote「進化⑤」
https://note.com/yaguchihappy/n/nd8fc3843dfc6
の中で解説している(ただし、最近はあまり難問は出題されない。出題されたとしても、問題文の中で計算方法が説明されることが多い)。
*問題文を「このタンパク質のアミノ酸”配列”は( )年に一ヶ所変化していることになる」と書いた方が丁寧でした。申し訳ありません。
#高校生物
#進化
#分子時計