今回は広島大2015より、ミカエリスメンテンの式の問題を解説しました!ミカエリスメンテンの式を知らなくても解けますが、ミカエリスメンテンの式を理解していると非常に簡単です。
ミカエリスメンテンの式の導き方↓
https://youtu.be/gNtM_prn1XM
動画のポイント
グルコキナーゼ→Kmが大きい→親和性が低い
ヘキソキナーゼ→Kmが小さい→親和性が高い
基質が低いときはヘキソキナーゼがはたらく
基質が高いときはグルコキナーゼがはたらく
競争的阻害では親和性が減少→Kmが増加
競争的阻害では基質濃度が高いとほとんど阻害されない→Vmは一定
非競争的阻害では親和性は変わらない→Kmが一定
非競争的阻害では基質濃度に関わらず阻害される→Vmは減少
問題文(図は省略)
問1 グルコースの代謝に関する次の文章を読み,文章中の ア ~ キ に適切な語を記せ。
グルコースが呼吸基質となって水と二酸化炭素まで分解される過程は,大きく分けて三つのステップに分けられる。まず,第一のステップは解糖系と呼ばれ,グルコース1分子から2分子の ア が生成されると共に,正味 イ 分子のATPが合成される。2分子の ア は, ウ 内に入り, ウ のマトリックスにおいて第二のステップである エ ,さらに,NADと結合した水素イオンは ウ の内膜・クリステで第三のステップである オ で使われる。
激しい運動を続けた筋肉では, カ の供給が不十分になり,解糖によって生じた キ が蓄積してくる。
問2 以下の文章を読み,問(1)と問(2)に答えよ。
解糖系全体の速度は,グルコースからグルコース6リン酸を生じる過程に大きく影響されているが,これを触媒する酵素としてヘキソキナーゼとグルコキナーゼが知られている。一定量のヘキソキナーゼあるいはグルコキナーゼを用いてグルコースからグルコース6リン酸の産生量を比較すると,1分間当たりのグルコース6リン酸産生量は添加するグルコース濃度に応じて図1のように変化する。(注:mMとは10-3Mである)
縦軸はグルコース6リン酸産生量を示している。この活性は酵素-基質(グルコース)複合体の形成しやすさと,最大反応速度の二つによって規定される。酵素-基質複合体の形成しやすさを図1から判断すると,ヘキソキナーゼとグルコキナーゼとでは,前者の方が高いことがわかる。また,ヒトの場合は組織ごとにヘキソキナーゼとグルコキナーゼの発現は異なっており,(a)ヘキソキナーゼは胎児組織やがん細胞,脳組織などで多い。一方,(b)グルコキナーゼはすい臓のβ 細胞に豊富である。
問(1) 下線部(a)で述べたように,ヘキソキナーゼが多いことが,これらの細胞や組織にとって,どのような利点があるか,30字以内で説明せよ。なお,ヒトでは,空腹時の血液中グルコース濃度は約5mMである。
問(2) 下線部(b)に関して,以下の文章中の ア ~ エ に適切な語を記せ。
すい臓のβ 細胞にはグルコキナーゼが豊富なので, ア 濃度に応じたATP量が細胞内に蓄積することになり,これがインスリンの分泌を促進する。インスリンは,血液中の ア 濃度を低下させるが,これと逆に作用するホルモンとして,すい臓のα 細胞から分泌される イ と,副腎髄質から分泌される ウ が挙げられる。これらは細胞内の エ を分解する酵素を活性化させることで ア を産生する。
問3 化合物X,Yは,それぞれグルコキナーゼの阻害薬である。化合物Xはグルコースと類似した構造を有しており,グルコキナーゼとグルコースの結合を抑制する。一方,化合物Yは,グルコキナーゼとグルコースの結合には全く影響を与えずにグルコース6リン酸産生量を抑制する。図2は,添加するグルコースの量に応じて1分間当たりに産生されるグルコース6リン酸量を示したものであり,aは最大産生量を表し,一方,bはaの半分の産生量を与えるグルコース濃度を表している。化合物Xあるいは化合物Yを添加した状態では,このグラフがどのように変化すると考えられるか。次の①~⑥の中から,それぞれ最も適切なものを選べ。
解答例
問1 ア ピルビン酸 イ 2 ウ ミトコンドリア
エ クエン酸回路 オ 電子伝達系 カ 酸素
キ 乳酸
問2
問(1)省略
問(2) ア グルコース イ グルカゴン ウ アドレナリン
エ グリコーゲン
問3 X ② Y ③