今回は、数学というか学校で学ぶ勉強について習得のはやい生徒とそうでない生徒の違いについて僕個人の思うことを書きます。
数学で説明すると、各単元のバケツがあると思ってください。
数列のバケツ、ベクトルのバケツ、積分のバケツ、複素数平面のバケツ、といった具合です。各単元を学ぶということは各バケツに水を入れていく行為であって、それが満タンになったらその単元の定期試験レベルが仕上がって、全ての単元のバケツが満タンになって初めて難関校の入試問題に取り組めます。
しかし、バケツには穴があって、本当に苦手な生徒、いや正直大部分の高校生は三角比のバケツに水を入れている間に、2次関数のバケツの穴から水がほとんど流れてしまって、三角比→2次関数→三角比→2次関数、とイタチごっこになります。つまり一生かかっても全てのバケツに水が満タンになることのない人がほとんどです。
この文章を読んでいるあなたは「いやいやそんなことは無いでしょ笑笑、そんな人いる?笑」と笑うかもしれませんが、それはあなたがこの授業についてこれるだけの数学的センスが備わっているからであって大部分の高校生はそれが一般的です。
人それぞれバケツに注ぐ水のスピードもバケツの穴からもれる水のスピードも異なります。なのですぐに入試レベルが解ける人と、いつまでも定期試験レベルから抜け出せない人がいるわけです。
その差は世間的には、それらは幼少期からの訓練の積み重ねだと考える人が多いですが、僕は数学に向いているか向いてないか、つまり遺伝の影響がほとんどだと考えています。
世界中でいろいろな研究結果が広まっているので、もう10年もすれば、どんなことにも向いている向いていない、つまり努力ではなく生まれつきの能力に左右される場合がほとんどだよね、という認識が世間的にも当たり前になると感じます。
絵のうまさだったり、運動神経だったり、いろいろな能力が遺伝で決定していると言われると、小学生のときのクラスメイトの違いで誰しも思い当たるところがあるはずです。
この遺伝による事実を踏まえて、僕は指導の上でよく意識することが2つほどあります。
「自分にできるからといって、他人も同じようにできると強要しないこと。相手の能力を見極めること。」
「仮に10年間、浪人して全力で勉強しても、どんなに医者になりたいと思っていても、数学の向き不向きの問題で、医者を諦めなくてはいけない生徒がかなりの割合でいること。」
です。前者に関しては当たり前のことのように感じるかと思いますが、結構無茶な課題を出す先生が世の中多いなと僕は思っています。親についても教育虐待になってることが多い気がします。
ただ、前者よりも後者の方がさらに深刻で、未だに正解がわかりません。
プロとしてやっている以上、半年も教えていると、目の前の生徒が何年かかっても医学部に合格するのは不可能だとわかってしまいます。そのとき、本人が気づくまで「頑張ろう」という姿勢でいるべきなのか、いついつまで挑戦してダメなら別の道を探した方がいい、と接するべきなのか。医学部の世界では絶対に合格できない受験生が30歳を過ぎても浪人していたりするので、それを考えると、どう諦めさせるか、を考える方が本当にその生徒のことを思った行動なのかもしれません。
話がそれましたが、以上です。