今回は鎌状赤血球貧血症に関する問題を解説しました。ハーディー・ワインベルグの公式を使って、解くことができます。
以下問題文
(3) マラリアはマラリア原虫によって起こる疾患であり,結核,エイズとならんで世界の3大感染症の1つとされている。マラリア原虫はハマダラカによって媒介され,吸血時に蚊の唾液腺から感染型の原虫がヒトの血液中に注入される。血液に入ると数分で肝細胞に侵入し,そこで分裂を繰り返す。G肝細胞内での増殖を終えると,これを破壊して,すぐに赤血球に入る。次々に赤血球に侵入し,破壊しては次の赤血球へ侵入する。このようにマラリア原虫は増殖の主な部位を赤血球とするため,赤血球の異常による疾患と密接な関係がある。そのような疾患の1つに鎌状赤血球症がある。鎌状赤血球症の遺伝子(S)をホモ(SS)で持つヒトは重篤な貧血により多くは成人になる前に死亡する。一方,Sと正常遺伝子Aをヘテロ(AS)で持つヒトでは鎌状になる赤血球も少なく,症状も軽症である。マラリア原虫はASのヒトの赤血球では増殖しにくく,AAのヒトよりもマラリアに抵抗性がある。すなわち,マラリア流行地域ではASのヒトは生存に有利であることになる。
問9 アフリカのマラリアが多発する孤立したある地域で新生児の遺伝子型を調べたところAA:AS:SS=20:10:1であった。この地域ではAAを持つヒトの一部はマラリアで死亡し,SSを持つヒトの全てが重度の貧血で死亡する。それ以外のヒトは全て成人に達する。この集団ではSの遺伝子頻度は新生児と成人とでは全く同じであった。AAを持つ新生児の中で何%の新生児が死亡するか,小数点以下1桁までの%で示しなさい。