【 note : https://note.com/yaguchihappy 】
ATPについて講義します。
ATPのはたらきについて
• ATPのはたらき【ATP②】 高校生物基礎
問題:ATPにおいて、リン酸同士の高エネルギー結合を何というか。
答え:高エネルギーリン酸結合
問題:アデニンとリボースが結合したものを何というか。
答え:アデノシン
●すべての生物はATPをもつ。
●ATPは、生理的条件下では、ATP分解酵素の作用を受けなければ安定なので、勝手に加水分解されるようなことはない。
つまり分解反応における活性化エネルギーが高い。
したがって効率的に化学エネルギーの運搬に寄与することができる。
●糖と塩基の結合物を、ヌクレオシドという。ヌクレオシドには、
アデニンとリボースが結合したアデノシン、
グアニンとリボースが結合したグアノシン、
シトシンとリボースが結合したシチジン、
ウラシルとリボースが結合したウリジン、
アデニンとデオキシリボースが結合したデオキシアデノシン、
グアニンとデオキシリボースが結合したデオキシグアノシン、
シトシンとデオキシリボースが結合したデオキシシチジン
チミンとデオキシリボースが結合したチミジン
などの種類がある。
●ヌクレオシドに、リン酸が1つ以上結合したものをヌクレオチドという。ATPはヌクレオチドである。
●ATPのリン酸部分において、本来P(リン)が持っていた電子は、O(酸素)に引き付けられている。隣り合った酸素は、互いに少しのマイナスを帯びていることになる。それが解放されると、エネルギーが取り出せると考えて良い(本当は自由エネルギーを計算して論じなければならない。知らなくて良い)。ATPがADPとリン酸に分解されるときに放出されるエネルギーを使って、本来エネルギー的に起きにくい多くの反応が推し進められている(水が下に流れ落ちる勢いを利用して、歯車を動かし、物を高い所へ運ぶようなイメージ)。たとえば、細胞内では、ATPが分解されるときに放出されるエネルギーを使って、多くの巨大分子の生合成反応が推し進められている。
●基本的にATPは細胞膜を通過できない(ミトコンドリアには特別にATPを通過させる通路が設置されている)。血中をATPが流れて全身に供給されると言う説明は嘘である。グルコースの形で細胞の中にエネルギー物質を取り込み、細胞内でグルコースを分解することで、その細胞で利用できるATPを得るのである。
●様々なヌクレオチドが生体内にある中で、どうしてATPがエネルギーの通貨に選ばれたのかについては、まだ結論が出ていない。
ATPは全ての生物が持っている。例外はない。ATP検出器が市販されているが、それは、食品工場など、微量の生物の混入も許されないような場所で使われている。ATPがあるということは、そこに生物がいるという証拠になる。
●化学でいう一般的な、広義の「塩基」と、生物学でいう核酸に含まれる「塩基」は、違う言葉である。この動画で言う塩基は、核酸、ヌクレオチドおよびヌクレオシドのプリン核あるいはピリミジン核をもった弱い塩基性をもつ構造体のことである。具体的には、アデニン、チミン、シトシン、グアニン、ウラシルを指す。遊離の状態では生体内にごく少量しか認められず、大部分は核酸、ヌクレオチドおよびヌクレオシドの状態で存在する。
●リン酸が1つしか結合していないアデノシンはアデノシン一リン酸(AMP)という。Mは「1」をあらわす。Mは「モノ」という。モノクロ(1色)のモノと同じ語源である。
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