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簡単なまとめ

人類にとって最も身近な家畜として、乾燥地域・熱帯雨林地域・寒帯以外のほぼ全世界で飼育されている。

主な用途は肉牛、乳牛、役畜の三つ。

ブラジル、インド、アメリカ合衆国は特に牛の頭数が多い。

用途

人間に飼育されている牛には、大きく三通りの利用法があります。

  • 肉牛
  • 乳牛
  • 役畜

です。

特に前二者の利用が多く、役畜として利用されている牛でも乳を搾ったり使い物にならなくなったら屠殺して肉を食べたりします。

役畜としての利用は主に農作業での土起こし、重い資材の運搬などで、機械化が進んだ地域ではこれらの仕事は機械がやってしまうので、牛を役畜として用いるのは一部の発展途上国、それも農村地域に限られています。

特徴

牛の生態的な特徴として、

  • 暑さに強い(品種による)
  • 寒さにも比較的強い
  • 乾燥に弱い
  • 生長に大量の食料を必要とする

などがあります。

牛は品種によりますが暑さに強く、熱帯でも飼育が可能です。ただし、乳牛として一般的なホルスタイン種は暑さに弱いため、商業的に酪農を行う場合は冷涼な地域で飼育が行われます。

また寒さにも比較的強く、冷帯までなら飼育が可能です。

しかし牛は大量の飲み水を必要とするため、乾燥地域での飼育には向いていません。乾燥帯での飼育はほぼ不可能で、具体的には年降水量が500㎜以上の地域ならば可能です。

さらに、牛はめちゃくちゃ食べます。牛肉1㎏を生産するために必要な穀物の量はトウモロコシ換算で11kg、豚肉の6㎏や鶏肉の4㎏と比較するとかなり多いことが分かります。

このように、牛は肥育の効率があまりいいとは言えない動物です。

分布

世界の牛の飼育頭数を見てみましょう。多い国順に並べると、

  • ブラジル
  • インド
  • アメリカ合衆国
  • エチオピア

となります。

この四カ国、世界の牛飼育頭数が多い地域の特徴をよく表しています。順に解説していきましょう。

ブラジル

ブラジルでは、熱帯雨林セラードの開拓によって森林や草原が牧草地に転換され、

放牧による粗放的な牧場経営

が行われています。

ブラジルでは、牧草地に牛を放し飼いにし、農家はあまり手をかけず牛に勝手に育ってもらうという放牧が中心です。また、飼育されている牛は肉牛がほとんどで、酪農は盛んではありません。

インド

インドは一種特別な地域で、牛の飼育頭数が増えている要因としては

  • 牛を神聖視するヒンドゥー教の教え
  • 農村部での役畜としての利用
  • 肉牛飼育が盛ん

が挙げられます。

ヒンドゥー教では牛が神聖視されているため、街中を闊歩している野牛も処分されることがありません。

また、機械化が進んでいない農村部では未だに牛が貴重な労働力として用いられており、零細農家でも牛を所有していることが多くあります。

また忘れられがちですが、インド人の一割強、数にして1億人以上はイスラム教徒で、イスラム教徒は牛を食べますから、彼らの分の肉牛生産も盛んです。

アメリカ合衆国

アメリカ合衆国では肉用牛の飼育酪農の両方が盛んであり、肉牛と乳牛の両方が多く飼育されています。しかしながら、やはり頭数が多いのは肉牛の方です。

アメリカ合衆国の肉牛飼育の特徴的な点は、

フィードロットでの肥育を中心とした集約的な牧場経営

にあると言えるでしょう。

エチオピア

エチオピアに限らず、サハラ以南アフリカのサバナ地域では牛の飼育頭数が多い傾向にあります。

アフリカのサバナ気候地域では、もろこし・ソルガムなどの雑穀栽培と、牛の飼育を組み合わせた農業を行っています。

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