集積回路(IC)
簡単なまとめ
集積回路(IC)とは、小さなコンピュータのようなもの。
機械の脳ミソのようなもの。
軽量・高付加価値であるため、輸送には自動車や航空機が用いられる。このため、工場は土地・労働力の安い地方の、高速道路付近や空港付近に立地する。
日本では、東北(シリコンロード)、九州(シリコンアイランド)にIC工場が多い。
世界的には、中国、台湾、韓国のシェアが高く、日本・中国・韓国・台湾で世界の約8割が生産されている。
当記事では簡略な説明に留めたが、世界の半導体産業の詳細は補足 半導体産業を見てほしい。入試にはここまで深い知識は不要だが、現代を生きる我々には必須の教養と筆者は考える。
集積回路(IC)
要は、機械の脳ミソです。
ICにもいろいろ種類があって、
- 計算
- 記憶
- センサー
- 制御
などいろんな機能があります。
人間の脳が、計算したり記憶したり五感を感じ取ったり体を動かす制御をしているのと同じです。
用途
ICは、スマホ・パソコンのみならず、今やほとんどすべての電化製品に搭載されています。
特性
- 小さい
- 軽量
- 高価(高付加価値)
これが大きな特徴といえます。
また、製造には非常に高度な技術と非常に高価な設備が必要です。
工場立地
体積が小さく、軽量かつ高付加価値であるため、製品価格に占める輸送費の割合が極めて小さくなります。輸送費のことはあまり考えなくていいということです。
ですから、工場立地を考える際は、輸送費以外の項目、つまり人件費や地代などの要素が大きく関わってきます。
したがって、工場は地代や人件費が安い地方に立地します。世界的には、賃金・土地が安く、技術力もある中国、台湾、韓国に工場が集中しています。
また、ICは軽量・高付加価値であるため、自動車や航空機によって輸送されます。
したがって、IC工場は、地方の、高速道路のインターチェンジ付近や空港付近に立地します。
日本だと、高速道路網が発達している九州や東北に立地していることが多いです。現在建設が進んでいるTSMC熊本工場も、熊本空港付近に立地していますね。
IC産業の歴史
ICの製造は、高度な技術と多額の資本が必要であることから、かつては日米欧が独占していました。
日本は1980年代以降、IC分野で世界最先端を走り続けていましたが、90年代以降衰退し、2000年代以降、代わって台湾・韓国・中国が台頭しました。
日米欧の独占
↓
日本の台頭
↓
日本の衰退、中韓台の台頭
というのが大まかな流れです。