ニュータウン
簡単なまとめ
20世紀以降、都市の過密対策のため新たに開発された市街。
日本では有名なものに東京の多摩ニュータウン、大阪の千里ニュータウンがある。
ロンドンでは早くからニュータウンが開発され、職住近接が大きな特徴。
日本のニュータウンは高度成長期以降に開発され、職住分離が特徴。近年は住民が一斉に高齢化し、社会問題化している。
ロンドンの事例
特徴
職住近接が最大の特徴で、よく日本のニュータウンと比較される。
ロンドンのニュータウンでは、住居とともに住民の職場や商業施設なども整備され、ニュータウンの中で生活が完結するように設計されている。
経緯
ロンドンでは19世紀からロンドン都心部の過密が問題になっていたが、第二次大戦後の復興を見据えて、都心部の過密解消のため「大ロンドン計画」がたてられた。
大ロンドン計画
大ロンドン計画では、ロンドンの市街地をグリーンベルトで囲み、グリーンベルトでの開発を厳しく制限して都市の無計画な拡大を抑制した。
グリーンベルト内に収まりきらない人口は、グリーンベルトの外にニュータウンを建設して吸収することとした。
問題点
大ロンドン計画の結果都心部の過密は緩和されたが、かえって都心部が空洞化する事態に陥った。
そのため都心部の再開発が行われた。代表例がドックランズ地区である。
日本の事例
特徴
職住分離が最大の特徴。
ニュータウンは単に住居を提供する衛星都市として機能し、住民は都心へ通勤する。
経緯
日本では、高度経済成長期に三大都市圏で爆発的に人口が増加した。
このため深刻な住宅不足がおこった。これを解消するために計画されたのがニュータウンである。
これが、日本のニュータウンが職住分離型になった一因ともなっている。
問題点
ニュータウンが開発された当初は、若い世代が一斉に入居した。
入居者の年齢が似通っているため、住民が一斉に子を産み、育て、一斉にリタイアし高齢化していくことになる。
さらに、成長した子はニュータウンに留まることなく街を離れていったため、世代交代が進まない事例が多く見られた。
このため近年では入居当時の若年層が一斉に高齢化し、ニュータウンの高齢化率が急速に上昇し、社会問題化している。