ABO式血液型
ABO式血液型とは
ヒトの血液型は、「A・B・O・AB」の4つの型にわけることができる。 このように分類できる血液型を、ABO式血液型という。
この4つの型を決定する要素は2つ。 赤血球表面に存在する「凝集原」と、血清中にある「凝集素」である。
では、凝集原と凝集素でどのように4つに分類できるのか見ていこう。
凝集原と凝集素
凝集原と凝集素はそれぞれ2種類存在する。
凝集原には「A」と「B」が、
凝集素には「α」と「β」がある。
それぞれの血液型が持つ凝集原と凝集素は、以下のとおりになっている。
(上の説明で、凝集原は「赤血球表面に存在する」と書いたが、図のように赤血球が持っているイメージで覚えておくとよいでしょう◎)
図から読み取れるように、血液型の名称は持っている凝集原と対応している。
凝集
実は、凝集原=抗原、凝集素=抗体であり、
凝集原と凝集素の間では、特定の組み合わせの時に抗原抗体反応が起こる。
(抗原・抗体についてわからない場合は「体液性免疫」のページをチェック!)
抗原抗体反応が起こると、血液が固まってしまう。
このことを、「凝集」という。
【凝集が起こる凝集原・凝集素の組みあわせ】
-
凝集原Aと凝集素α
-
凝集原Bと凝集素β
(似た記号同士で抗原抗体反応が起こる、と覚えておこう◎)
ABO式血液型の判定法
血液型は、上で説明した「凝集」の反応を利用することで、判定することができる。
【判定手順】 ①A型の血清(凝集素αあり)とB型の血清(凝集素βあり)を用意する。
②それぞれに型を調べたい血液を混ぜる。
例えばA型の血液(凝集原Aあり)を混ぜた場合、下図のように、凝集原Aは凝集素αとのみ抗原抗体反応を起こすため、B型の血清の方のみで凝集が起こる。
同様に、2種類の血清に、B型、O型、AB型の血液を混ぜると、凝集する組み合わせは以下の図のようになる。 このように、凝集する組み合わせは、4つの型すべてで異なる。
血液型がわからない血液をA型とB型の血清に混ぜると、この図のどれかの結果と一致するはずである。
その結果から、血液型を判定することができるのである。
ちなみに
「血液型」は、ABO式血液型以外にも存在する。
よく教科書に載っているものだと、Rh式血液型がある。詳しくは、この用語のページで確認してほしい。
ABO式血液型について動画で学びたい人は、 「おうち生物 ABO式血液型」をチェック!!