世界にはさまざまな政治体制が存在する。
その分類にもさまざまなものがあるが、ここでは主要な対立軸に着目して解説していく。
君主がいる政治体制。日本は君主制の国。
君主とは、王、皇帝、天皇、大公などの、世襲によって継承される国家の最高権力者を指す。天皇や王さまのことだと思ってもらえれば問題ない。
君主制国家は欧州や中東、東南アジアに多い。
英国、オランダ、スペイン、ノルウェー、スウェーデンなど、歴史の長い国に多い。
欧州の君主制国家はほとんどが立憲君主制で、君主の権力は憲法に拘束され、形式的な存在となっている。
サウジアラビア、UAE、オマーン、カタールなど、ペルシャ湾岸の国に多い。
中東の君主制国家は専制君主制またはそれに近いもので、言ってみれば国王が好き放題できる国である。
これは、原油の利益を王室が握ることによって王室が圧倒的財力・権力を保持しているためで、中東の君主制国家の多くが産油国であることと密接に関連している。
君主がいない政治体制。国家元首は大統領。
歴史が短い、新しい国に多い。
米国、フランス、ドイツ、ロシア、韓国など。
近年の政治学では、一人または少数の人物によって統治される国を総称して権威主義国家と呼ぶことが多い。
一方民主主義とは、国民が国家のあり方、政治を選ぶことができる政治体制のこと。
(青が民主主義国家、赤が権威主義国家)
(V-dem Democracy report 2023)
「権威主義」は比較的新しい言葉で、近年の政治学では頻繁に用いられるようになった。
具体的には、独裁や専制君主制といった、一人または少数の人物が国の方針を決めるような政治体制のこと。
権威主義国家には、サウジアラビアなどの専制君主制国家はもちろんのこと、ロシアなど、選挙は存在するが実際は立候補制限等により民主的な選挙が行われておらず事実上の独裁状態となっているものも含まれる。
発展途上国に権威主義国家が多い。
国民が国の政治の方針を決めることができる政治体制。
先進国はおおむね民主主義をとっている。
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