全部否定とは
副詞の下に「不」がついて、完全に否定する句形。可能性0パーセント。語順が命で、必ず部分否定と合わせて形を理解しておこう。
まずは例として、「常」とくっついた形を確認しよう。
常不

これが、下のように並びが逆になると、部分否定となり、意味がだいぶ変わってくる 。
不常
- 読み方:つねニハ〜ず
- 訳し方:いつも〜とは限らない

他の例
たくさんあるので、定期的に読み方を見直して、出てきたときに「あ、部分否定だな」「これは全部否定の意味だな」と見分けられるようにしておこう。
- 必
- 部分:不必(かならずしも〜ず)
- 全部:必不(かならず〜ず)
- 倶
- 部分:不倶(ともには〜ず)
- 全部:倶不(ともに〜ず)
- 甚
- 部分:不甚(はなはだしくは〜ず)
- 全部:甚不(はなはだ〜ず)
- 全
- 部分:不全(まったくは〜ず)
- 全部:全不(まったく〜ず)
- 尽
- 部分:不尽(ことごとくは〜ず)
- 全部:尽不(ことごとく〜ず)
- 久
- 部分:不久(ひさしくは〜ず)
- 全部:必不(ひさしく〜ず)
- 多
- 部分:不多(おほくは〜ず)
- 全部:多不(おほく〜ず)
- 皆
- 重
- 部分:不重(かさねて(は)〜ず)
- 全部:必不(かさねて〜ず)
- 復(二度と、の意味)
発展
「敢不」「不敢」は、それぞれ全部否定、部分否定の形をしているものの、意味は違うので注意が必要。
敢不
これは全部否定ではなく、反語形の表現となる。
- 読み方:あヘテ〜ざラン(や)
- 訳し方:どうして〜せずにいられようか、いや〜しないではいられない
不敢
これは部分否定ではなく、強い否定の表現となる。
ちなみに、不敢不になると二重否定になる。二重否定の辞書で確認しよう。