ウォーターフロント
簡単なまとめ
ウォーターフロントは水辺という意味で、都市の臨海部・臨港部を指す。
先進国では、重厚長大型産業の衰退をはじめとした産業構造の転換により、港湾設備が老朽化・遊休化し、臨海部の空洞化・治安の悪化などが問題になっていた。
ロンドンのドックランズでは、世界に先駆けてウォーターフロントの再開発を行い、港湾施設を一掃。商業施設やオフィス、住宅を建設した。
日本ではみなとみらい地区が代表的。
ウォーターフロントの衰退
ウォーターフロントの衰退は特に先進国でみられる。
先進国では、かつて重工業や造船業が盛んで、大量の資源を扱う港湾地区には、大規模な倉庫や資材置き場、造船所のドックなどが存在した。
しかし経済発展に伴い、重工業の衰退、脱工業化によって、港湾設備は次第に使われなくなっていった。
使われなくなった港湾設備は次第に老朽化、遊休化し、空洞化や治安の悪化が問題となった。
ウォーターフロントの再開発
このようなウォーターフロント地区の再開発は、
- 港湾施設を一掃
- 商業施設、オフィス、住宅、公園などの整備
を軸に進められることが多い。
代表的なウォーターフロントの再開発に、
- ドックランズ地区(ロンドン)
- みなとみらい(横浜)
- 咲洲、舞洲など(大阪)
が挙げられる。
(横浜、みなとみらい地区)
ドックランズ地区
世界に先駆けてウォーターフロントの再開発が行われたのがロンドン・テムズ河畔のドックランズ。
ドックランズでは、老朽化・遊休化した倉庫や造船所などを一掃。跡地にオフィス、高層マンション、レジャー施設を建設した。
再開発の結果ドックランズは一気に活性化し、メガバンクのHSBCが本社をドックランズに移転するなど、大きな成功を収めた。
ドックランズの成功は世界各国に影響を与え、ウォーターフロントの再開発が世界各地で進められるきっかけになった。
発展~コロナ後のドックランズ
コロナ禍を機に、リモートワークの普及をはじめとした働き方の大きな変化を通して先進国の都市は大きな変貌を遂げようとしている。
英国でもリモートワークが普及。各社がオフィス面積を縮小し、オフィスの需要が一気に減少した。
オフィス面積が小さくていいなら、不便な郊外よりも便利な都心がいいと考える企業が現れ、郊外から都心へのオフィスの移転が増加した。
この結果、特に郊外でオフィスの空室率が上昇しており、ドックランズもこのあおりを大きく受けている。
ドックランズに本社を構えていたメガバンクのHSBCは、コロナ禍を機にロンドン都心のシティに本社を移転すると発表しており、ドックランズの衰退が危惧されている。