ファウンドリ
簡単なまとめ
半導体の製造を専門的に請け負う企業。
TSMC(台湾)が代表。
ファウンドリ
半導体の製造については別記事で解説した通りですが、
半導体業界の大きな特徴として、設計・開発会社と製造会社が分かれていることがあります。Intelみたいに自社で開発から製造までやるところもありますけどね。
その中で、製造を専門的に行う企業を、ファウンドリといいます。
なんで分けるのかというと、アホみたいに設備投資費用がかかるからです。
工場一軒3兆円
半導体を作るには、当然ながら半導体製造装置が必要。
ところがこの製造装置がボッタクリかよってくらい高く、高いものだと一台200億円とか普通にします。ちなみに200億円あったら福岡ソフトバンクホークスが買えます。
しかも200億円の機械が一台あっても一つの工程しかできません。半導体の製造過程って細かくみると400くらいあると言われていますので、まともに工場を作ろうと思ったら高価な機械を100台とか揃えないといけないわけです。
つまり、工場一か所につき数兆円規模の投資が必要なんです。
そして半導体は年々進化していますから、毎年新しい工場を建てたり機械の更新をしなければなりません。
つまり、本格的に半導体を製造しようと思ったら、毎年数兆円の投資ができる企業じゃないと生き残れないのです。
効率化
工場一軒で数兆円とか言われても、毎年そんな大金出せる企業なんてそうそうないわけです。世界的企業であっても、簡単に出せる額じゃありません。トヨタの利益がよくて年4兆円弱ですからね。
ところが、半導体はあらゆる電子機器に必要です。パソコンやスマホは勿論のこと、家電製品、自動車、飛行機、ありとあらゆるものに使われていますから。
とはいっても、一部のパソコンメーカーなど以外は、ちょっとしか使わない半導体を作るためだけに何兆円も出して工場を建てるわけにはいかない。アイリスオーヤマとトヨタとボーイングとがそれぞれ工場を建てても、工場の稼働率が下がって無駄なわけです。
じゃあどうするかというと、半導体の製造だけをやる専門の企業を作って、そこがいろんな会社から依頼を受けて、いろんな会社で使ういろんな半導体をまとめて生産してしまえば効率いいじゃん、となったわけです。
一人一人が持つには高すぎるから、みんなでシェアしようってことですね。
こうして生まれたのが、TSMCをはじめとするファウンドリだったのです。