フィヨルド
フィヨルド
U字谷が沈水した地形。
地形
水深が深く、非常に細長い湾となる。そのため波は穏やかで、船舶の航行にも適する。
もともとU字谷であったことから、両岸は切り立った断崖で、平地が極めて少ない。
土地利用
水深が深く、湾奥が深いことから波が穏やかであることから、漁港に適しているほか、養殖業が行われている。
サーモンの養殖で有名なノルウェーやチリも、フィヨルドに多くの養殖場が立地している。
ただし、両岸が切り立った山地で平地が少ないことから大規模な都市は発達しにくい。
また交通の便も悪く、湾を横断する道路・鉄道の建設が困難で、交通網の発達を阻害する要因となっている。
分布
ノルウェー、アラスカ~カナダ太平洋岸、チリ南部、ニュージーランド南西部などに存在する。
高緯度の大陸西岸に分布することに気付いただろうか。
そもそもフィヨルドは元々U字谷だった場所で、かつて氷河が存在していた。氷河は雪が押し固められて形成されるものであるから、多量の雪が降る場所でないと氷河は形成されない。したがって、フィヨルドは降雪の多い大陸西岸に形成されるということになる。
補足~フィヨルドが生み出す新技術
フィヨルドでは、両側が断崖である上に水深が深いため、橋や海底トンネルを建設することが極めて難しく、現在でも道路が繋がっていないことがよくある。水深が深いので海底トンネルでは非常に深くまで掘る必要があるほか、橋を作るにしても水深が深すぎ海底に橋脚が建てられないのである。
顕著なのがノルウェーで、大西洋岸にはフィヨルドが連続し、大西洋岸の交通網の整備が遅れている。
大西洋岸を縦貫するE39という道路では、大きなフィヨルドを渡るたびにフェリーに乗り継ぐ必要があり、輸送の障害となっていた。
(google map)
これを克服するために、ノルウェー公営道路局では海中にトンネルを浮かべるという新技術を開発中。
詳しくはnbcnewsの記事を参照。