貿易依存度
簡単なまとめ
GDPに対する貿易額(輸入額+輸出額)の割合。
- 中継貿易が盛んな国
- 加工貿易が盛んな、輸出指向型工業が盛んな国
で高い。
具体的には、オランダ、ベルギー、香港、シンガポール、ベトナム、スロバキアなどで高い。
中国、日本、アメリカ合衆国など、GDPの大きな国では、貿易額が大きくても依存度は低めになる。
貿易依存度
そもそもの話ですが、GDPというのは外需と内需の合計です。そして、外需は輸出ー輸入で計算されます。
ですから、輸入額や輸出額がGDPを上回ることも起こり得ます。したがって、貿易依存度が100%を超えることもめずらしくありません。
国の経済規模に対して、どれくらい盛んに貿易が行われているのかを示す指標が、貿易依存度なのです。
貿易依存度が高い国
中継貿易が盛んな国
- シンガポール
- 香港
- オランダ
が代表的です。
加工貿易が盛んな国
- ベトナム
- カンボジア
- チェコ
- スロバキア
- ハンガリー
- ポーランド
が代表的です。
いずれも、原料・部品を輸入し、完成品を輸出する加工貿易が盛んであることから、貿易額が大きくなっています。
例えば、ベトナムは輸入・輸出の上位品目がよく似ており、加工貿易が盛んであることが読み取れます。
(ベトナム税関総局資料より)
ヨーロッパでは、チェコ、スロバキア、ハンガリー、ポーランドといった中・東欧諸国でこのような貿易が盛んです。
これらの国々は、EU域内で関税障壁がなく、賃金水準がEU域内としては低く、ヨーロッパ最大の工業国・ドイツに近接しているという利点から、自動車工業・電気機械工業などの組み立てが非常に盛んです。
こちらのページでもわかるように、トヨタも欧州での生産拠点をチェコ・ポーランド・ポルトガルなどにおいていますね。
貿易依存度が低い国
貿易依存度は割り算ですから、分母であるGDPが大きくなれば貿易依存度は下がります。
貿易額は大きいものの、GDPが大きいために貿易依存度が低くなっている代表的な国が
- 中国
- 米国
- 日本
です。
日本は貿易額世界第4位で、5位のオランダと貿易額が近いのですが、日本の方が圧倒的にGDPが高いため、貿易依存度が大きく異なることに注目です。