光化学オキシダントの濃度が高くなり、もやがかかったようになる現象。
「光化学オキシダント」とは、窒素酸化物などの大気汚染物質が、太陽の紫外線などによって化学変化を起こしてできる化学物質。オゾン、アルデヒドなどが含まれる。
(メキシコシティ、wikimedia commons)
光化学オキシダントのもとになる原因物質は、主に
である。「窒素酸化物」だけ覚えておけばよい。
窒素酸化物は、工場や車の排気ガスに多く含まれる。
窒素酸化物やVOCが大気中に放出されると、太陽の紫外線を浴びて化学反応を起こし、光化学オキシダントに変化する。
光化学オキシダントの濃度が高くなると、もやがかかったようになり「光化学スモッグ」と呼ばれる。
などがある。
光化学オキシダントは刺激性のある物質なので、それが人体に触れると人体を刺激し、上記のような症状を引き起こす。
原因物質である窒素酸化物は車や工場の排気ガスに多いので、車や工場が多い地域、つまり
「大都市で発生しやすい」
といえる。
特に、発展途上国の大都市で多く、先進国では少ない。
これは、発展途上国では排気ガス規制がゆるく、窒素酸化物を大量に放出している一方、先進国では排気ガス規制が進み、窒素酸化物の排出が少ないからである。
特にメキシコシティの光化学スモッグは有名。
メキシコシティは盆地で空気が滞留しやすいうえ、標高が高いため不完全燃焼が起きやすく、窒素酸化物の放出が多いため、光化学スモッグが発生しやすい条件が整いまくっている。
日本では、近年光化学スモッグを目にすることはほとんどない。
これは、自動車の排気ガス規制が進み、窒素酸化物の排出が減っているからである。
こんなシールが車に貼ってあるのを見たことはないだろうか。
(国土交通省)
これは国の排気ガス基準をこんだけ満たしてますよと自慢するステッカーなわけだが、このように、国は年々排気ガス規制を厳しくし、車メーカーもそれにあわせて排気ガスを綺麗にしてきた努力の結晶なのである。
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