私たちは、医薬品開発の出発点となるリード化合物や、生命科学研究用の試薬となるような新しい生物活性物質を天然から探索する研究を行っています。沖縄や奄美地方の亜熱帯のサンゴ礁海域で海洋シアノバクテリアを採集し、有機溶媒で抽出した後、生物活性、例えばがん細胞に対する毒性を指標として、クロマトグラフィーやHPLCで分離し、最終的に純粋な物質を得ます。得られた生物活性物質の化学構造はNMRや質量分析などの機器分析や計算化学により決定します。続いて、得られた生物活性物質の化学合成を行い、構造や生物活性が正しいことを確認します。さらに、どのような仕組みで生物活性を発揮するか、その作用機構を解明します。これまでに多数の新しい生物活性物質を見出しており、今後もさらなる発見を目指します。