今回はエネルギー効率に関する問題を1つ解説しました!
(セミナー生物207でも使用されている問題です。)
問題PDFはこちら↓
https://drive.google.com/file/d/1x2q4KTXj1ieTaCPdtsntDTgiV8gJUA4y/view?usp=drive_link
文章でも解説を書いておきます↓↓(文章だと少しわかりにくいので、動画を見る方が分かりやすいと思います。)
まず、「エネルギー効率」というのは、
「前の段階のエネルギー量のうち、その段階でどれくらいエネルギーが利用されたかの割合(%)」を示したもので、
生産者のエネルギー効率(%)= 総生産量/入射した太陽のエネルギー量 ×100
一次消費者のエネルギー効率(%)= 一次消費者の同化量/生産者の総生産量 ×100
二次消費者のエネルギー効率(%)= 二次消費者の同化量/一次消費者の同化量 ×100
で求めることができます。
総生産量って「呼吸して成長、食われて死ぬ!」、つまり呼吸量、成長量、被食量、枯死量を足したものでしたね。
同化量は摂食量から不消化排出量を引いたもので、これも「呼吸して成長、食われて死ぬ!」、つまり呼吸量、成長量、被食量、死亡量を足したものです。
それでは
問2、問3を考えていきます。
まず、問2は(イ)のエネルギー効率を求めよという問題です。
(イ)は、有機物をつくる生産者ですね!
だから
エネルギー効率(%)= 総生産量/入射した太陽のエネルギー量 ×100 で求めることができます。
図1よりそれぞれの数値を代入すると、
エネルギー効率(%)=7.20 ×10^7 / 4.80×10^9 ×100
=1.50×10^2 ×100 =1.50
ということで、答えは1.50%です。
※答えは 小数第2位まで求めることに注意して下さいね!!
次は問3!
(オ)は、一次消費者なので、
一次消費者のエネルギー効率(%)= 一次消費者の同化量/生産者の総生産量 ×100 を求めれればOKです。(これを①としますね)
ではまず、一次消費者の同化量を考えていきます。
まず、生産者の純生産量ー枯死量ー成長量=被食量(摂食量)ですね。
それぞれに数値を入れると、
4.80×10^7 ー 0.60×10^7 ー 1.80×10^7=2.40×10^7 これが一次消費者の摂食量です。
同化量=摂食量ー不消化排出量(これを②とします。)なので、あとは一次消費者の不消化排出量を求めれば、同化量を求めることができます。
一次消費者の不消化排出量ですが、
「図1の不消化排出量をすべて集めて生重量を計ったところ,2.0kg/(m2・年)となり,これを乾燥させると,生重量の20%になった。この乾燥させたもののエネルギー含量は1.7×10^7J/kgであった。」と書いてありますね。
ここで単位に注目して下さい!!
図1を見れば分かるように、今それぞれの量を表している単位は「J/(m2・年)」です。
なので、不消化排出量もこの単位に直す必要があります。
まず、「2.0kg/(m2・年)」と書いてあるので、1年あたり、1m2あたりで2.0kgの不消化排出量があります。
「これを乾燥させると、20%になった」と書いてあるので、2.0kg×20/100=0.4kg(m2・年)になっていることが
分かります。
この中のエネルギー含量は「1.7×107J/kgであった。」と書いてあります。ここでも単位に注目すると、1kgあたり1.7×10^7Jのエネルギーを持っていることが分かります。
では先ほど求めた0.40kgの中にあるエネルギーはいくらになるでしょう?
0.4kg(m2・年)× 1.7×107J / kg =0.68 ×10^7 J/(m2・年)です。
これが一次消費者の不消化排出量です。
それでは②の式「同化量=摂食量ー不消化排出量」に一次消費者の摂食量2.40×10^7 J/(m2・年)と、
一次消費者の不消化排出量0.68 ×10^7 J/(m2・年)を代入すると、
一次消費者の同化量=1.72 ×10^7 J/(m2・年)になります。
これを式①の一次消費者のエネルギー効率(%)= 一次消費者の同化量/生産者の総生産量 ×100 に代入すると、
=1.72 ×10^7 J/(m2・年)/ 7.20×10^7 ×100
=23.888・・≒23.89%となります。