「遺伝子の問題で連鎖・組換えが無ければ解けるのですが・・」という声をよく聞きます。
本当に、連鎖・組換えが無い問題だったら解けるのでしょうか?
・・ということで、私から連鎖・組換えが無い二遺伝子雑種の問題を一問出題したいと思います!!
問題PDFはこちら
https://drive.google.com/file/d/1jh_gAnC9cyuRPHYSizvlMEkf5CpRVuPu/view?usp=sharing
以下、問題文
次の文章を読んで,問1~4に答えなさい。
優性と劣性の2つの対立遺伝子があるとき,このヘテロ接合体同士を交配すると,得られる3つの遺伝子型は,優性ホモ接合とヘテロ接合と劣性ホモ接合が1:2:1の比で出現するのが一般的である。この分離比は,ヘテロ接合体において2つの対立遺伝子が配偶子へ均等に分配され,いずれの対立遺伝子を持った配偶子も同じ効率で受精卵の形成にあずかることが前提となっている。そしてこの前提が成り立つことは,ヘテロ接合体に劣性ホモ接合体を交配する( ア )交雑を行った子世代で,ヘテロ接合と劣性ホモ接合が( イ )に分離することにより確認できる。しかし,この前提が成り立たない場合,子世代での分離比は1:2:1からゆがむことになる。
ある被子植物に,独立した遺伝子座ⅠおよびⅡがあり,それぞれ優性Aおよび劣性a,優性Bおよび劣性bの各対立遺伝子が存在している。遺伝子座ⅠとⅡは別の染色体上にあり,お互い相手の形質には影響を与えない。ヘテロ接合体を自家受精したところ,遺伝子座ⅠでもⅡでも,子世代での優性ホモ接合とヘテロ接合と劣性ホモ接合の分離比が1:2:1にならなかった。そこで以下に示すような交雑実験を行って,それぞれの対立遺伝子が雌性あるいは雄性配偶子を通して受精卵へどのように伝達されるか調査した。
・実験結果(1) 遺伝子座Ⅰのヘテロ接合体に,AA個体の花粉を受粉させたところAAとAaの子が,またaa個体の花粉を受粉させたところAaとaaの子が,いずれも1:1に分離した。すなわち,遺伝子座Ⅰのヘテロ接合体の雌性側からは,Aの配偶子とaの配偶子が等しく後代に伝えられた。
・実験結果(2) 遺伝子座Ⅰのヘテロ接合体の花粉を,AA個体に受粉させたところAAとAaの子が,またaa個体に受粉させたところAaとaaの子が,いずれも2:1に分離した。すなわち,遺伝子座Ⅰのヘテロ接合体の花粉側からは,Aの配偶子の方がaの配偶子の2倍の頻度で後代に伝えられた。
・実験結果(3) 遺伝子座Ⅱのヘテロ接合体に,BB個体の花粉を受粉させたところBBとBbの子が,またbb個体の花粉を受粉させたところBbとbbの子が,いずれも4:1に分離した。すなわち,遺伝子座Ⅱのヘテロ接合体の雌性側からは,Bの配偶子の方がbの配偶子の4倍の頻度で後代に伝えられた。
・実験結果(4) 遺伝子座Ⅱのヘテロ接合体の花粉を,BB個体に受粉させたところBBとBbの子が,またbb個体に受粉させたところBbとbbの子が,いずれも2:1に分離した。すなわち,遺伝子座Ⅱのヘテロ接合体の花粉側からは,Bの配偶子の方がbの配偶子の2倍の頻度で後代に伝えられた。
問1 空欄( ア )にあてはまる最も適切な語句と,空欄( イ )に入る分離比を答えなさい。
問2 実験結果(1)と(2)をふまえて,遺伝子座Ⅰのヘテロ接合体を自家受精したときの,遺伝子型がAAとAaとaaである子の分離比を答えなさい。
問3 実験結果(3)と(4)をふまえて,遺伝子座Ⅱのヘテロ接合体を自家受精したときの,遺伝子型がBBとBbとbbである子の分離比を答えなさい。
問4 遺伝子座Ⅰと遺伝子座Ⅱ両方のヘテロ接合体を自家受精したとき,どのような遺伝子型の子が出現するか,その分離比とともに答えなさい。
答え
問1 ア 検定 イ 1:1
問2 AA:Aa:aa=2:3:1 問3 BB:Bb:bb=8:6:1
問4 AABB:AABb:AAbb:AaBB:AaBb:Aabb:aaBB:aaBb:aabb=16:12:2:24:18:3:8:6:1