大賞と同時に奨励賞も!? 圧巻の筆力で書かれた幼馴染文学!
皆さん、勉強おつかれさまです。涼椎街です。いつも記事を読んでいただきありがとうございます。
前回、カクヨム甲子園で二年連続・二度目の大賞を受賞した、しがないさんの『クレーのいた冬』を紹介しましたね。
『クレーのいた冬』は2022年度ロングストーリー部門の大賞を受賞しましたが、実はしがないさんは、あの年の同部門で奨励賞も取られているんです。(ちなみにショートストーリー部門でも最終選考に残られていたので間違いなくバケモノです。褒めてます。)
『トリガー』という作品になります。
このように一人の高校生が複数作品で受賞・最終選考進出を勝ち取っている結果発表ページを見て、当時の応募者たちは震撼していました。私もその中の一人です。
2022年に応募した人たちは「相手が悪かった」とすら言っていました。
今回も前回同様、あらすじを紹介しようと思います。
『トリガー』のあらすじ
主人公の真尋は、明日の仕事に備えて寝ようとしていた。そこに、もう七年は話していない女子の幼馴染、雅灯から『今からこっち来れる?』という連絡が来る。雅灯は偶然公園に埋められていた拳銃を発見し、共犯者になってもらうために真尋を呼び出したのだった──。
おわりに
これは選考委員による選評でも言及されていましたが、拳銃を拾った幼馴染に呼ばれて七年ぶりに再会するという冒頭からすでに面白いですよね。
『クレーのいた冬』と比べると、サスペンスの風合いが随所に満ちた、物語性が強い小説となっています。
ノスタルジックな冬の空気感、二人の感傷的な関係性、緊張感と静けさが絶妙に溶け合ったストーリー進行に目が離せなくなったのを、今でもはっきりと覚えています。
『クレーのいた冬』と同様、こちらも今の季節にぴったりの小説なので、そういう点でもおすすめです。
作品のリンクはこちらになります。あらすじを読んで気になった方はぜひご一読ください。
しがない著『トリガー』(敬称略)
ここからは余談です。飛ばしてもらっても大丈夫です。
実は、私の作風は少なからずしがないさんに影響されています。『彼女にだけ存在する夏』なんて、それが顕著ですよね。私の作品と、しがないさんの作品を両方読んでくださった方は既に察しがついているかもしれませんが。
初めて読んだときから、しがないさんが書く、叙情的な文体で緩やかに流れていく物語の読み味が心地よすぎて、その中の世界にずっと浸っていたいと感じています。そして、いつしか憧れを抱くようになりました。
カクヨム甲子園の受賞作はそのほとんどを読んだことがありますが、もし人気投票なるものがあったら、私は『クレーのいた冬』あるいは『トリガー』に入れるだろうと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
寒くなってきたので、暖かいものを飲んで、お体に気をつけてお過ごしくださいね。個人的には味噌汁がおすすめです。