燃料電池車(FCEV)②
(サムネイルはトヨタ会館にて著者が撮影)
皆さん、こんにちは。今回は前回に引き続き、燃料電池車(FCEV)について話していきます。前回の記事から、いくつかの重要な点をピックアップして深掘りしていきます。
(前回の記事はこちら)
排出するのは水だけ?!
まず、燃料電池車とは何か、という基本からですが、これは水素と酸素の化学反応を利用して電力を生成し、その電力でモーターを駆動して走行する車のことを指します。
一番のメリットは、排出物が水だけであることです。これは、環境に優しく、持続可能な運輸の方法として大きなポテンシャルを秘めています。
インフラ整備に課題
しかし、FCEVの普及にはまだ課題が存在します。一つは、インフラの整備です。現状では、水素ステーションの不足や高コストなどがハードルとなっています。
しかし、電気自動車(EV)と比較すると、水素エネルギーのインフラは、特に発展途上国での電力アクセスの問題を考えると、より実現可能な選択肢となり得ます。
例えば、アフリカなど電力が安定していない地域及び発展途上国では、電気が通っていない場合もあり、EVの普及は難しいですが、水素ステーションは既存のガソリンスタンドを水素ステーションにすることにより電気ステーションよりは容易に設置が可能です。
さらにBEV電気自動車はフル充電に数時間必要としますが、FCEV燃料電池車なら3分で給水素が可能でありガソリン車と同等の距離を走ることができます。
(愛知県豊田市の水素ステーション)
(とよたエコフルタウン水素ステーションにて著者が撮影)
大量生産の必要性
次に、新車価格についてですが、これは量産が進むにつれて解決されると考えられます。現在、トヨタのミライやクラウンFCEVなどは、大量生産ラインではなく、比較的少量生産にとどまっています。
しかし、市場の需要が増え、大量生産が実現すれば、コストは下がることが予想されます。
(トヨタ自動車元町工場ミライ製造ライン)*写真の都合上2015年のものであり現在はミライ専用ラインではございません
(引用元はこちら)
給水素電気がかかりすぎる?!
しかし、燃料電池車にも大きなデメリットがあります。水素を安全に給油するためには、それを冷却する必要があり、この過程でかなりの量の電力を消費します。
実際、1台のトヨタミライを給水素するために使用される電力は、場合によっては2台の日産リーフ(電気自動車)をフル充電するのと同等かそれ以上になることがあります。この点は、水素エネルギーが本当にエコなのか、という根本的な議論につながります。
FCEV(燃料電池車)はそれでも重要な未来の選択肢
それでも、FCEVは今後の車両開発において重要な選択肢の一つです。私たちは、規制に縛られるのではなく、寛容な視点から、水素エンジンの将来性を見極める必要があります。
私たちは、技術の短期的な成果にとらわれるのではなく、長期的な視野を持って、持続可能な輸送手段を推進すべきです。
長くなりましたが、今回はここまでとさせていただきます。
次回も、FCEV燃料電池車に関連する話をします。ありがとうございました。