イスラーム世界の文化のお話です。
これら以外にも、各地方で独自に発展を遂げた文化も数多く存在します。
バグダードやカイロを中心に栄えたイスラーム文明ですが、各都市でモスクが建てられ、信仰や学問の中心となりました。
また、タラス河畔の戦い(唐との戦い)で学んだ製紙の技術も、学問の発展に大きく貢献しました。
歴史家のタバリーは年代記形式の歴史書を編纂し、イブン=ハルドゥーンは『世界史序説』を記します。
フワーリズミーの代数学や、ウマル=ハイヤームの天文学など、自然科学も発展します。
ギリシア哲学、特にアリストテレスの研究も盛んに行われ、医学者としても名を残したイブン=シーナーやイブン=ルシュドらが有名です。
信仰も多様化します。
シーア派、スンナ派に加え、形式的な信仰を捨て神との一体化を目指す神秘主義(スーフィズム)も10世紀に現れ、教団を作り広めていく核となるなどしました。
文学では、『千夜一夜物語(アラビアンナイト)』が代表的です。
説話の集大成であるこの書物は、カイロでまとめられたとされています。
イブン=バットゥータはメッカ巡礼記『三大陸周遊記』を記し、また天文学でも名を残したウマル=ハイヤームは『四行詩集(ルバイヤート)』でも名を残しています。
また、細密画(ミニアチュール)やアラベスク紋様などの工芸も発達しました。


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