FTA・EPA
簡単なまとめ
WTOでの協議と異なり、二国間・多国間で交渉して作られる貿易の取り決め。
- FTA・・・自由貿易協定。貿易・サービス貿易の活性化を目指し、関税や非関税障壁の撤廃・引き下げを行う。
- EPA・・・経済連携協定。FTAに加え、投資、人の移動、知的財産の保護や競争政策におけるルール作り、様々な分野での協力の要素等を含む、幅広い経済関係の強化を目的とする協定。
二国間・多国間で締結される。
近年、貿易に関する協定は、WTOよりもFTA・EPAで結ばれることが多い。
日本が締結しているのは全てEPA。
FTA・EPA
WTOとの違い
WTOは、164の加盟国全てに適用できる貿易の取り決めを作る国際機関。
FTA/EPAは、二国間・多国間のみに通用する貿易の取り決め。
FTAとEPAの違い
FTAは、貿易やサービス貿易に関する取り決め。
EPAは、FTAにプラスして、幅広い経済分野での協力を取り決めたものです。
EPAは、FTA+α なんだと覚えておきましょう。
日本は、貿易に限らない幅広い経済協力を目指し、基本的にEPAを締結する方針です。日本が現在結んでいるのは、全てEPAです。(日米貿易協定を除く)
(ちとにとせさんより引用)
歴史
自由貿易を進めるにあたって、当初はGATTやWTOで、加盟国すべてに適用できるルールを決めていこうとしていました。
しかし、WTOには世界164の国と地域が加盟しています。全ての国が納得できるような仕組みを作るのは大変なわけです。なかなかルール作りも進みません。
しかし、二国間だったり利害関係の合致する複数の国だけなら、取り決めもしやすいですよね。
というわけで、WTOめんどくさいから勝手に自分たちだけのルール作っちゃおうぜという流れが世界的に加速したわけです。
現在は、貿易に関する取り決めを作りたいときは、WTOで「こういう仕組み作りたいんですけど~」と発議するよりも、主な貿易相手国と個別に相談して協定を結ぶといったやり方が主流です。
有名なFTA・EPA
世界
- NAFTA・・・米国・カナダ・メキシコのFTA。
- MERCOSUR・・・アルゼンチン・ウルグアイ・パラグアイ・ブラジルのFTA。
日本が締結しているEPA
日本も多くのEPAを締結していますが、代表的な相手国・地域を挙げると、
- TPP(環太平洋パートナーシップ協定)
- EU
- 英国
- ASEAN
- チリ(銅資源の確保が主眼)
- メキシコ(NAFTAへのアクセスを意識)
- インド
などがあります。
また、FTAなのかどうか微妙ですが、安倍内閣の時に締結された日米貿易協定というものも存在します。このおかげでアメリカ産の牛肉が安く手に入るようになりました。