南緯60度以南の地域について、
などを定めた条約。
1961年に発効し、世界54カ国が締結している。
要するに、「南極はどこの国のものでもない」ということを定めた条約。
19世紀~20世紀初頭、西欧列強が南極探検を進めるなかで、領有権も主張されるようになった。世界史の「アムンゼン・スコットの南極点到達」も復習しておこう。
しかし、南極は領有権を主張したところで実際に占領するのは難しいし、経済的に利益があるわけでもない。
また、南極にミサイルを配備されたりすると安全保障上問題がある。かといって南極を守るためにわざわざ遠い本国から軍隊を送り込むのは明らかに割に合わない。
というわけで、みんなで南極から手を引こうということになり、南極条約の発効に至った。
が領有権を主張している。
南極条約により領有権の主張は凍結されているが、凍結というのは肯定も否定もしないという意味であり、領有権主張が否定されたわけではない。

などが定められている。
現在、南極には科学研究のための基地は存在するが、支配のための拠点は存在しない。
複数の国が共同で管理する基地もあり、科学研究の分野における国際協力も進んでいる。
現在、南極での地下資源開発は「マドリード議定書」によって2048年まで禁止されている。
これは南極の環境保護を目的として交わされた条約だが、エネルギー需要の増加などによって規制緩和が検討される可能性はある。
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