概要
平行でない 直線
を考えたとき、 これらの交点を通る直線 は、実数 を用いて、
もしくは
と表せる。( も も だと、直線にならないので不適)
どっちを使うかは結構好みが分かれるが、以下のような長所と短所があるので注意が必要。うどんかそばか、くらいは悩ましい。
の長所:未知数が つのみ
の短所: を表すことはできない(それ以外の「交点を通る直線」は表せる)
の長所:全ての「交点を通る直線」を表せる(, とすれば、 も表せる)
の短所:未知数が つ発生する
例
直線
の交点と、点 を通る直線を求める。このとき、直線
は点 を通らないので、求める直線は、上の を使って、 実数 を用いて、
と表される( はこの形で表せないので、断っておく必要)。
これに を代入すると、 となるので、求める直線は、
となる。
証明
(お断り:直感的に、式でゴリゴリに示してみますが、 スマートな証明は例えばKoga Masakiさんの「束の原理」の動画を参照!)
直線を、以下のようにおく。
これらが平行でなく交点を持つとすると、
このとき、まずは の式、つまり
で表せる直線の集合と、 と の交点( とおく)を通る、 以外の全ての直線の集合が一致することを示す。
【】まず、 の直線は必ず を通ることを示す。
を とおくと、 上にあるので、
が成り立つ。よって、 の左辺に を代入すると、
となり、 の直線は必ず を通る。
【】逆に、 を通る 以外の全ての直線は、 の形で表せていることを示す。
上より の直線は を通ることはわかっているので、 を動かすことにより、 軸に垂直な直線も含めて、 の直線が と異なる全ての傾きを表すことができることを示せばOK。
(i) のとき(← を の形にできないので場合分け)、
と仮定すると、 となるが、 より と が同時に になることは無いので、矛盾。よって、 となり、 と同値。このとき、 の式は、
となり、傾きが存在しない、 軸に垂直な直線を表すことになる。
(*) より、。
また より、 はこのとき 軸に垂直な直線とはならない。
(ii) のとき(これはつまり、 が (存在すれば)以外の値のとき)、
の式は、
となる。 と仮定すると、 の傾きは
となり、 を考えると、 の値を 以外で調節することで、 以外(つまり の傾き以外)の全ての値をとることが出来る。
他方、 とすると、 より なので、 は 軸に垂直な直線となり、傾きは存在しない。このとき の傾き は、
となり、 の値を調節することで全ての値をとることが出来る。
以上(i)(ii)より、【】は示される。
よって【】より、 の式で表せる直線の集合と、 と の交点( とおく)を通る、 以外の全ての直線の集合が一致する。
また、 の式の場合、つまり
については、
(iii) のときは、条件より、 となり、 なので を表す。
(iv) のときは、両辺を で割ると の式に帰着し、 と の交点( とおく)を通る、 以外の全ての直線を表す。
よって(iii)(iv)より、この直線の式 は、 と の交点( とおく)を通る全ての直線を表す。