日本文学史マスターへの道【付録】⑧『小倉百人一首』一覧
小倉百人一首・一覧表
色々なバージョンがあるので、ここでは近江神宮のサイトを参考に一覧にしてあるよ。
そのほかには、嵯峨嵐山文華館のものや小倉山荘のものなど、ネットで色々な発見ができるよ!
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秋の田のかりほの庵の苫を荒みわがころも手は露に濡れつつ
天智天皇・(後撰集 秋 302)
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春すぎて夏来にけらし白たへのころもほすてふあまの香具山
持統天皇・(新古今集 夏 175)
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あしびきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む
柿本人麻呂・(拾遺集 恋 778)
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田子の浦にうちいでて見れば白たへの富士の高嶺に雪は降りつつ
山部赤人・(新古今集 冬 675)
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奥山にもみぢ踏み分け鳴く鹿の声聞く時ぞ秋は悲しき
猿丸太夫・(古今集 秋 215)
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かささぎの渡せる橋に置く霜の白きを見れば夜ぞふけにける
中納言家持・(新古今集 冬 620)
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あまの原ふりさけ見ればかすがなる三笠の山にいでし月かも
安倍仲麻呂・(古今集 覊旅 406)
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わが庵は都のたつみしかぞ住む世を宇治山と人はいふなり
喜撰法師・(古今集 雑 983)
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花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに
小野小町・(古今集 春 113)
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これやこの行くも帰るも別れては知るも知らぬも逢坂の関
蝉丸・(後撰集 雑 1089)
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わたのはら八十島(やそしま)かけて漕ぎいでぬと人には告げよあまの釣舟
参議篁(小野篁)・(古今集 覊旅 407)
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あまつ風雲のかよひ路吹きとぢよをとめの姿しばしとどめむ
僧正遍昭・(古今集 雑 872)
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つくばねの峰より落つるみなの川恋ぞ積りて淵となりぬる
陽成院・(後撰集 恋 776)
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みちのくの忍ぶもぢずり誰ゆゑに乱れそめにしわれならなくに
河原左大臣・(古今集 恋 724)
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きみがため春の野にいでて若菜摘むわがころも手に雪は降りつつ
光孝天皇・(古今集 春 21)
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たち別れいなばの山の峰に生ふるまつとし聞かばいま帰り来む
中納言行平(在原行平)・(古今集 離別 365)
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ちはやぶる神代も聞かず竜田川からくれなゐに水くくるとは
在原業平朝臣・(古今集 秋 294)
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すみの江の岸による波よるさへや夢のかよひ路人目よくらむ
藤原敏行朝臣・(古今集 恋 559)
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なにはがた短きあしのふしのまもあはでこの世をすぐしてよとや
伊勢・(新古今集 恋 1049)
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わびぬれば今はた同じなにはなるみをつくしてもあはむとぞ思ふ
元良親王・(後撰集 恋 960)
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いま来むといひしばかりに長月の有明の月を待ちいでつるかな
素性法師・(古今集 恋 691)
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ふくからに秋の草木のしをるればむべ山風を嵐とい言ふらむ
文屋康秀・(古今集 秋 249)
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月見ればちぢにものこそ悲しけれわが身ひとつの秋にはあらねど
大江千里・(古今集 秋 193)
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このたびはぬさも取りあへずたむけ山もみぢのにしき神のまにまに
菅家(菅原道真)・(古今集 覊旅 420)
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名にし負はば逢坂山のさねかづら人に知られで来るよしもがな
三条右大臣(藤原定方)・(後撰集 恋 700)
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小倉山峰のもみぢ葉心あらば今ひとたびのみゆき待たなむ
貞信公(藤原忠平)・(拾遺集 雑秋 1129)
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みかの原わきて流るる泉川いつ見きとてか恋しかるらむ
中納言兼輔(藤原兼輔)・(新古今集 恋 996)
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山里冬ぞ寂しさまさりける人目も草もかれぬと思へば
源宗干朝臣・(古今集 冬 315)
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こころあてに折らばや折らむ初霜の置きまどはせる白菊の花
凡河内躬恒・(古今集 秋 277)
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有明のつれなく見えし別れより暁ばかりうきものはなし
壬生忠岑・(古今集 恋 625)
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あさぼらけ有明の月と見るまでに吉野の里に降れる白雪
坂上是則・(古今集 冬 332)
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山川に風のかけたるしがらみは流れもあへぬもみぢなりけり
春道列樹・(古今集 秋 303)
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ひさかたの光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ
紀友則・(古今集 春 84)
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たれをかも知る人にせむ高砂の松も昔の友ならなくに
藤原興風・(古今集 雑 909)
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人はいさ心も知らずふる里は花ぞ昔の香に匂ひける
紀貫之・(古今集 春 42)
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夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを雲のいづこに月宿るらむ
清原深養父・(古今集 夏 166)
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白露に風の吹きしく秋の野はつらぬきとめぬ玉ぞ散りける
文屋朝康・(後撰集 秋 308)
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忘らるる身をば思はずちかひてし人の命の惜しくもあるかな
右近・(拾遺集 恋 870)
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浅茅生の小野のしの原忍ぶれどあまりてなどか人の恋しき
参議等・(後撰集 恋 577)
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しのぶれど色にいでにけりわが恋はものや思ふと人の問ふまで
平兼盛・(拾遺集 恋 622)
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恋すてふわが名はまだき立ちにけり人知れずこそ思ひそめしか
壬生忠見・(拾遺集 恋 621)
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ちぎりきなかたみに袖をしぼりつつ末の松山波越さじとは
清原元輔・(後拾遺集 恋 770)
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あひ見ての後の心にくらぶれば昔はものを思はざりけり
中納言敦忠・(拾遺集 恋 710)
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あふことの絶えてしなくばなかなかに人をも身をも恨みざらまし
中納言朝忠・(拾遺集 恋 678)
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あはれとも言ふべき人は思ほえで身のいたづらになりぬべきかな
謙徳公・(拾遺集 恋 950)
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ゆらのとを渡る舟人かぢを絶え行くへも知らぬ恋の道かな
曾禰好忠・(新古今集 恋 1071)
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八重むぐら茂れるやどの寂しきに人こそ見えね秋は来にけり
恵慶法師・(拾遺集 秋 140)
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風をいたみ岩打つ波のおのれのみくだけてものを思ふ頃かな
源重之・(詞花集 恋 211)
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み垣もり衛士のたく火の夜はもえ昼は消えつつものをこそ思へ
大中臣能宣朝臣・(詞花集 恋 225)
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きみがため惜しからざりし命さへ長くもがなと思ひけるかな
藤原義孝・(後拾遺集 恋 669)
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かくとだにえやはいぶきのさしも草さしも知らじなもゆる思ひを
藤原実方朝臣・(後拾遺集 恋 612)
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明けぬれば暮るるものとは知りながらなほ恨めしき朝ぼらけかな
藤原道信朝臣・(後拾遺集 恋 672)
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なげきつつひとりぬる夜の明くるまはいかに久しきものとかは知る
右大将道綱母・(拾遺集 恋 912)
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わすれじの行く末まではかたければ今日を限りの命ともがな
儀同三司母・(新古今集 恋 1149)
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滝の音は絶えて久しくなりぬれど名こそ流れてなほ聞こえけれ
大納言公任(藤原公任)・(拾遺集 雑 449 千載集 雑 1035)
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あらざらむこの世のほかの思ひ出に今ひとたびのあふこともがな
和泉式部・(後拾遺集 恋 763)
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めぐりあひて見しやそれともわかぬまに雲隠れにし夜はの月かな
紫式部・(新古今集 雑 1499)
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ありま山ゐなの笹原風吹けばいでそよ人を忘れやはする
大弐三位・(後拾遺集 恋 709)
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やすらはで寝なましものをさ夜ふけてかたぶくまでの月を見しかな
赤染衛門・(後拾遺集 恋 680)
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大江山いく野の道の遠ければまだふみも見ずあまの橋立
小式部内侍・(金葉集 雑 550)
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いにしへの奈良の都の八重桜今日九重ににほひぬるかな
伊勢大輔・(詞花集 春 29)
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夜をこめてとりのそらねははかるともよに逢坂の関は許さじ
清少納言・(後拾遺集 雑 939)
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いまはただ思ひ絶えなむとばかりを人づてならで言ふよしもがな
左京大夫道雅(藤原道雅)・(後拾遺集 恋 750)
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あさぼらけ宇治の川霧絶え絶えにあらはれわたる瀬々の網代木
中納言定頼(藤原定頼)・(千載集 冬 420)
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うらみわびほさぬ袖だにあるものを恋にくちなむ名こそ惜しけれ
相模・(後拾遺集 恋 815)
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もろともにあはれと思へ山桜花よりほかに知る人もなし
大僧正行尊・(金葉集 雑 521)
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春の夜の夢ばかりなる手枕にかひなく立たむ名こそ惜しけれ
周防内侍・(千載集 雑 964)
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こころにもあらでうき世にながらへば恋しかるべき夜はの月かな
三条院・(後拾遺集 雑 860)
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あらし吹くみむろの山のもみぢ葉は竜田の川のにしきなりけり
能因法師・(後拾遺集 秋 366)
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さびしさにやどを立ちいでてながむればいづくも同じ秋の夕暮
良暹法師・(後拾遺集 秋 333)
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夕されば門田の稲葉おとづれてあしのまろ屋に秋風ぞ吹く
大納言経信(源経信)・(金葉集 秋 173)
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音に聞くたかしの浜のあだ波はかけじや袖の濡れもこそすれ
祐子内親王家紀伊・(金葉集 恋 469)
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高砂のをのへの桜咲きにけりと山のかすみ立たずもあらなむ
権中納言匡房(大江匡房)・(後拾遺集 春 120)
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うかりける人を初瀬の山おろし激しかれとは祈らぬものを
源俊頼朝臣・(千載集 恋 708)
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ちぎりおきしさせもが露を命にてあはれ今年の秋もいぬめり
藤原基俊・(千載集 雑 1026)
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わたの原漕ぎいでて見ればひさかたの雲居にまがふ沖つ白波
法性寺入道前関白太政大臣・(詞花集 雑 382)
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瀬を早み岩にせかるる滝川のわれても末にあはむとぞ思ふ
崇徳院・(詞花集 恋 229)
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淡路島かよふ千鳥の鳴く声にいく夜寝覚めぬ須磨の関もり
源兼昌・(金葉集 冬 270)
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秋風にたなびく雲の絶え間よりもれいづる月の影のさやけさ
左京大夫顕輔・(新古今集 秋 413)
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長からむ心も知らず黒髪の乱れて今朝はものをこそ思へ
待賢門院堀川・(千載集 恋 802)
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ほととぎす鳴きつるかたをながむればただ有明の月ぞ残れる
後徳大寺左大臣・(千載集 夏 161)
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思ひわびさても命はあるものをうきにたへぬは涙なりけり
道因法師(千載集 恋 818)
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よのなかよ道こそなけれ思ひ入る山の奥にも鹿ぞ鳴くなる
皇太后宮大夫俊成(藤原俊成)・(千載集 雑 1151)
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ながらへばまたこの頃やしのばれむうしと見し世ぞ今は恋しき
藤原清輔朝臣・(新古今集 雑 1843)
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よもすがらもの思ふ頃は明けやらでねやのひまさへつれなかりけり
俊恵法師・(千載集 恋 766)
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歎けとて月やはものを思はするかこち顔なるわか涙かな
西行法師・(千載集 恋 929)
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むらさめの露もまだひぬまきの葉に霧たちのぼる秋の夕暮(新古今集 秋 491)
寂蓮法師・(新古今集 秋 491)
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なには江のあしのかり寝のひとよゆゑ身をつくしてや恋ひわたるべき
皇嘉門院別当・(千載集 恋 807)
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玉の緒よ絶えなば絶えね長らへば忍ぶることの弱りもぞする
式子内親王・(新古今集 恋 1034)
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見せばやな雄島のあまの袖だにも濡れにぞ濡れし色は変らず
殷富門院大輔・(千載集 恋 886)
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きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろにころもかた敷きひとりかも寝む
後京極摂政前太政大臣(藤原良経)・(新古今集 秋 518)
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わが袖は潮ひに見えぬ沖の石の人こそ知らね乾(かわ)くまもなし
二条院讃岐・(千載集 恋 760)
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よのなかは常にもがもななぎさ漕ぐあまのを舟の綱手かなしも
鎌倉右大臣(源実朝)・(新勅撰集 覊旅 525)
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み吉野の山の秋風さ夜ふけてふるさと寒くころも打つなり
参議雅経(藤原雅経)・(新古今集 秋 483)
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おほけなくうき世の民におほふかなわが立つそまに墨染の袖
前大僧正慈円・(千載集 雑 1137)
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花さそふ嵐の庭の雪ならでふりゆくものはわが身なりけり
入道前太政大臣(藤原公経)・(新勅撰集 雑 1052)
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来ぬ人をまつほの浦の夕なぎにやくやもしほの身もこがれつつ
権中納言定家(藤原定家)・(新勅撰集 恋 849)
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風そよぐならの小川の夕暮はみそぎぞ夏のしるしなりける
従二位家隆(藤原家隆)・(新勅撰集 夏 192)
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人も惜し人も恨めしあぢきなく世を思ふゆゑにもの思ふ身は
後鳥羽院・(続後撰集 雑 1202)
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ももしきや古き軒ばの忍ぶにもなほあまりある昔なりけり
順徳院・(続後撰集 雑 1205)