源氏物語の和歌で古典力アップ!「夕顔①」
源氏物語の和歌で古典力アップ!
大河ドラマ「光る君へ」で人気沸騰中の『源氏物語』、皆さん全部読んだことありますか?
54帖とかな〜り長い物語なので、一部しか知らない人も多いのでは?
このサイトは、『源氏物語』に出てくる和歌だけに絞って、単語力の強化や『源氏物語』が読んだ気になれるような感覚を持つために作成しました。
【このサイトを特におすすめする人】
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受験生で古典単語が全然わからない人
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受験生で和歌が全然わからない人
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『源氏物語』を軽〜く知りたい人
では、早速学びスタート!
26 心あてに それかとぞ見る 白露の 光そへたる 夕顔の花
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[現代語訳]
当て推量で、もしやそうではないかと思います。 白露が光を添えた、・・・・・・その光る君のご来臨を得た夕顔の花でございますもの
by林望『謹訳源氏物語』
27 寄りてこそ それかとも見め たそかれに ほのぼの見つる 花の夕顔
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[現代語訳]
もっと近寄ってこそ、それがだれかとも、はっきり分かりましょう。誰そ彼は、と判然しないたそがれのころにも、こうして白々とした光宿した夕顔の私の、その夕べの顔を
by林望『謹訳源氏物語』
28 咲く花に 移るてふ名は つつめども 折らで過ぎ憂き 今朝の朝顔
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[現代語訳]
こんなに美しい花を目の前にして、うつる<=色が変わる>なんて言葉は禁句ではあるし、心がその花にうつった、という浮き名が立つととを恐れもするのだけれど、でも、やっぱりこんなに美しい朝顔を、いや、あなたのとの朝のお顔を見ては、私の心はこの花にうつってしまって、手折らずには行き過ぎがたい思いにかられます
by林望『謹訳源氏物語』
29 朝霧の 晴れ間も待たぬ 気色にて 花に心を 止めぬとぞ見る
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[現代語訳]
この朝の霧が晴れるのもお待ちにならぬ様子で、いそぎお帰りになろうとするのは、あんなに美しい花にお心を留められぬものと拝見いたします
by林望『謹訳源氏物語』
30 優婆塞が 行ふ道を しるべにて 来む世も深き 契り違ふな
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[現代語訳]
ほら、あの修行者の勤行している仏の道、あれを案内役として、今生ばかりか来世も、二人の契りを違えないでおくれ
by林望『謹訳源氏物語』
31 前の世の 契り知らるる 身の憂さに 行く末かねて 頼みがたさよ
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[現代語訳]
前世の因縁が悪くてこんな辛い身の上になっておりますのを承知しておりますわたくしには、来世までかけてのお約束などとても頼みにはできにくいことでございます
by林望『謹訳源氏物語』
32 いにしへも かくやは人の 惑ひけむ 我がまだ知らぬ しののめの道
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[現代語訳]
物語などに出て来るいにしえ人たちも、こんなふうに濡れ惑うたのであろうか。私はいまだ経験もしたことのない、明け方の道行きだな
by林望『謹訳源氏物語』
33 山の端の 心も知らで 行く月は うはの空にて 影や絶えなむ
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[現代語訳]
どの山の端に沈むのかも知らず、彷徨っている月は、きっとそのまま空の上で光が消えてしまうでしょう。わたくしも、どこへ行くのかも、またどんな山のなのかも知らずにあなたさまについてきてしまったのですから、もしやこのままぼんやりと上の空のまま、どこかへ消えてしまうかもしれません
by林望『謹訳源氏物語』
「夕顔」の巻について
出典:国立国会図書館「NDLイメージバンク」
光源氏:17歳の夏から秋頃の話
あらすじ:夕顔の花咲く家に心惹かれ、その家の女君に関心をもち、素性を隠し交際をスタートさせる。ただ、その女君は物怪に取り憑かれ死んでしまう。頭中将の愛人であったことをその後知ることになった。