ボーキサイト
簡単なまとめ
ボーキサイトはアルミニウムの原料で、赤っぽい見た目。
主に熱帯地域で産出。統計ではギニアとジャマイカに注目せよ。
ボーキサイトが熱帯に分布する理由は、
「高温多雨の気候下で土壌の溶脱が進み、アルミニウムが濃縮されるから」
ボーキサイトとは
アルミニウムの原料となる鉱石です。見た目、ただの赤い石です。ですから、ボーキサイト鉱山はだいたい赤っぽいことが多いですね。
アルミニウムの酸化物を多く含んでおり、これを精錬するとアルミニウムになります。
分布
ボーキサイトのほとんどは熱帯に分布します。ですから、主な産出国は熱帯地域を持つ国が多くなっています。
主な産出国として、
- オーストラリア
- 中国
- ブラジル
- ギニア
- ジャマイカ
を覚えておきましょう。
統計にギニアとジャマイカが出てきたら、ボーキサイトで決定!!
この二か国が他の統計に出てくることはほとんどありませんからね。
成因
では、なぜボーキサイトは熱帯地域に分布するのでしょうか?
アルミニウムという元素は、地球上で三番目に存在量が多い元素で、地球表面の岩石には平均して7%以上アルミニウムが含まれています。道端に落ちている石ころでも、数%はアルミニウム元素が入っているはずです。
ボーキサイトは、この割合が通常の岩石の数倍高い鉱物です。ボーキサイトは、もともと普通の岩石でしたが、そこからアルミニウムの成分が濃縮されてできた鉱物なのです。
アルミニウムを濃縮した犯人は、気候条件です。鉱産資源で気候条件が関係するものって珍しいですよね。
気候条件の要素、それは気温と降水量。これがどう関係するというのでしょうか?
ここで皆さんに思い出してほしいことがあります。風化です。風化、覚えていますか?
ここで関係するのは化学的風化です。化学的風化とは、岩石が水や空気と触れることによって化学反応を起こし、崩壊していくことでしたね。
熱帯地域では降水量が多く、気温も高いため、化学反応が活発に進み化学的風化が急速に進行します。
岩石中に含まれる鉱物は雨水にだんだん溶けていくのですが、鉱物の種類によって溶けやすさが違います。溶けやすい順に並べるとこうなります。
Cl・SO4 > Na・Mg・Ca > K > Si > Fe・Al
そうです。アルミニウムは最も溶けにくいのです。
したがって、熱帯のように化学的風化が活発に進む地域では、ケイ素やカルシウムなど、溶けやすい鉱物がどんどん溶けだして抜けていき、最も溶脱しにくいアルミニウムだけが残るのです。