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アルコール


概要

「アルコール」とは、ヒドロキシ基を持つ炭化水素のこと。メタンにが付くとメタノール、エタンにが付くとエタノール、...のように、基本的なアルコールはアルカンの語尾が-ol(オール)に変わった名前になります。

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アルコールは比較的反応性が高く、

  • (1) 金属との反応
  • (2) アルコールの酸化
  • (3) 脱水反応
  • (4) エステル化

など、さまざまな反応を起こします。特に(2)はアルコールの種類ごとに生成物が異なって覚えるのが大変です。でも超頻出だから頑張って覚えよう( ͡° ͜ʖ ͡°)

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詳細

アルコールとは

ヒドロキシ基を持つ炭化水素をアルコールと言います。アルコールが持つの個数を「価数」といい、が1個のとき1価アルコール、が2個のとき2価アルコール、...と言います。

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また、が結合している炭素に、他に炭素原子が1個以下結合するとき第1級アルコール、2個結合するとき第2級アルコール、3個結合するとき第3級アルコールといいます。

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なんでこんな分類するのかちょっと不思議ですが、実はこれにより酸化のされ方などの反応性が変わってきます。続いて説明する「(2)酸化反応」と合わせて理解しておきましょう。

アルコールの反応

アルコールは、電気陰性度が大きい酸素の両側に、炭素と水素がくっついた構造になっています。これによって、以下のように電荷が偏ってしまいます。

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これによって、水素が切り離されてしまったり、プラスに帯電した炭素が攻撃されたりする反応が起こります。

(1) 金属との反応

電荷の偏りにより、アルコールはほんの少しが電離できる状態になっています。ただし電離度は絶望的に小さいので、水に溶かしても酸性になるほどではありません。

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しかし、そこに還元性激強金属のを加えると、ごくわずかしかないとも酸化還元反応を起こします。

::: hljs-center (イオン反応式は) :::

ちょうど無機化学のときに勉強した、金属と水の反応と全く同じ仕組みですね。

(2) 酸化反応

ヒドロキシ基の電荷の偏り目掛けて酸化剤が攻撃し、電子が奪われる酸化反応が起こります。ただし、第何級アルコールなのかによって反応の結果が変わります。最低限、

  • 第1級アルコールは、アルデヒドを経てカルボン酸になる
  • 第2級アルコールは、ケトンになる
  • 第3級アルコールは、酸化されづらい

と言う結果は覚えておきましょう。

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気になる人向けに、超雑に仕組みを説明してみます。ヒドロキシ基中の酸素によって電子対が引っ張られ、比較的電気陰性度が小さい水素が剥がされてしまいます。その結果残された電子対での二重結合を作り、余った電子対が奪われるイメージです。このとき、第何級アルコールかで水素の数が異なるので、反応結果が変わってきます

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以上は偉い人に怒られそうな雑説明ですが、反応の暗記の手助けになりそうならふわっと参考にしてみてください。もっと硬派なガチ説明を御所望なあなたは「アルコールの酸化」の辞書をチェックしてみてください。

(3) 脱水反応

脱水剤の濃硫酸を加えて100℃以上まで加熱することで、が水として外れてしまいます。ただし、130〜140℃の低温では分子間脱水が、160℃〜170℃の高温では分子内脱水が主に起こります(*補足1)。

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これらを区別しないと解けない問題も出るので、細かいですが頭に入れておきましょう。

(4) エステル化

アルコールは、カルボン酸と脱水縮合することでエステルになります。エステル化は、構造決定問題でも超頻出の反応です。

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カルボン酸中のカルボニル基の炭素はプラスに偏っており、そこにアルコールの酸素がぶつかることで反応が起こります。より詳しくは「エステル」の辞書をチェック!

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補足

  • (*補足1)全然論理的な話じゃないですが、今人的には「高温だと分子のスピードが速く、2分子が隣り合って脱水している暇がない」と覚えています。感覚が合う人は参考にしてみてね。

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