サリチル酸
概要
「サリチル酸」とは、ベンゼン環の隣同士に
サリチル酸は、フェノールの塩に高温・高圧条件で二酸化炭素を反応させる「コルベ・シュミット法」で作られます。
詳細
サリチル酸の製法
サリチル酸は「コルベ・シュミット法」によって合成されます。まずはフェノールに水酸化ナトリウムを加えて中和し、ナトリウムフェノキシドにします。
ベンゼン環には、陽イオンが攻撃する置換反応が起きやすいです。さらに、フェノールのイオンはオルト-パラ配向性のため、より置換反応が起こりやすくなっています。二酸化炭素は各結合で微妙に極性があり、中心の炭素が微妙にプラスになっているので、高温・高圧条件下で置換反応を起こします(*補足1)。
ただし、この置換反応で
関連する化合物
(1) アセチルサリチル酸
サリチル酸に無水酢酸を作用させると、解熱鎮痛作用がある「アセチルサリチル酸」が合成できます。アセチルサリチル酸は、薬の商標では「アスピリン」と呼ばれます。
大学入試的には、フェノール性
アセチルサリチル酸は、痛みや発熱などの伝達物質を作る酵素に、自分のアセチル基を投げつけます。これによって伝達物質の合成がストップし、解熱鎮痛作用が現れるわけです。
ただし、この伝達物質には胃酸を抑える働きもあり、アセチルサリチル酸により胃液が出過ぎて胃潰瘍になってしまう場合もあります。
(2) サリチル酸メチル
サリチル酸とメタノールをエステル化することで、消炎作用がある「サリチル酸メチル」が合成できます。痛みを抑える軟膏として売られていたり、湿布の成分に含まれていたりします。
大学入試的には、フェノール性