複製
複製とは
1つのDNAを2つに増やすこと。
生物は常に細胞分裂により新しい細胞を作っている。
細胞が増える分、DNAも増やす必要がある。 だから複製が行われるというわけである。
DNAは「半保存的複製」という方法で複製される。
複製の向き
DNAには5’と3’という、いわば前と後ろのように方向が決まっている。
DNAの2本鎖では、方向が異なっている。
1本の左端が5’なら、もう1本の左端は3’というわけだ。
そして、複製は5’から3’方向に行われる。
複製の流れ
①DNAヘリカーゼがDNAにくっつき、2重らせんをほどいて1本鎖にする。(この場所を複製起点という。)
②DNAヘリカーゼが左右にそれぞれ移動し、だんだんDNAをほどいていく。
ここから、グレーで囲った部分を拡大します。
③RNAプライマーという、DNAと相補的な短い塩基配列がくっつく。
④プライマーにDNAポリメラーゼがくっつき、DNAが伸長する。
図の上のDNAと下のDNAでは、複製の手順が少し異なる。
図の上の新しいDNAを「リーディング鎖」、 下の新しいDNAを「ラギング鎖」という。
ラギング鎖
ラギング鎖は少し複製の手順がややこしい。
複製はDNAがほどけたところから始まるが、
この図では左から順にほどけているが、ラギング鎖は、方向的に右から左に複製することになる。
そのため、少しほどける度に、少しずつDNAが複製されていく。
(図の①②③の順番に複製される。)
これによりできた短い断片(岡崎フラグメント)は、
この後DNAリガーゼによりつながれる。
ちなみに、ラギング鎖のRNAプライマーは、DNAポリメラーゼにより、DNAに置き換えられる。
テロメア
複製後、RNAプライマーは分解される。
そのため、下図のように、一回複製するごとに、DNAは少しずつ短くなってしまう。
大事な情報が引き継がれなかったら困るよね。
だから、DNAの端には遺伝子はなく、ある塩基配列がひたすら繰り返されている。
その部分のことを、テロメアという。
テロメアがある程度短くなったら、それ以上複製はできなくなる。
(生殖細胞やがん細胞など一部の細胞では、テロメアを伸長する酵素「テロメラ―ゼ」がはたらき、分裂を続けることができる)
複製のしくみについて動画で学びたい方は、「おうち生物 18.複製のしくみ」をチェック!
(多分ここは動画の方が理解しやすいと思います!)