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アセチル化


概要

「アセチル化」とは、アセチル基がくっつく反応のこと。酢酸(acetic acid)の構造の一部がくっつくのでアセチル化といいます。

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反応の仕組みに限らず、アセチル基さえくっつけばなんでもアセチル化です。たとえば、エステル化で酢酸がくっつく場合や、アミド化で酢酸がくっつく場合などは全てアセチル化です。

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詳細

アセチル化とは

アセチル化とは、酢酸の構造の一部であるアセチル基がくっつく反応全般のことです。たまに「エステル化」と混乱してしまう人がいますが、アセチル化とエステル化の関係は以下の通り。

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カルボン酸とアルコールの脱水縮合がエステル化だから、たとえば、酢酸+エタノール、プロピオン酸+エタノールなどはエステル化です。

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一方、アセチル基がくっつく反応全般がアセチル化だから、酢酸+エタノールのエステル化、無水酢酸+アニリンのアミド化などはアセチル化です。

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つまり以上の例でいえば、酢酸エチルができる反応は、エステル化かつアセチル化であるということになります。定義を理解していれば問題ないはず!

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アセチル化を利用する例

(1)木材や繊維などのアセチル化

植物の主成分は、細胞壁の材料である「セルロース」です。よって、木材や植物由来の繊維も多くのセルロースを含みます。しかしセルロースには反応性が高めなヒドロキシ基が多く含まれることもあり、腐食したり虫に食われたりしやすいです

そこで、セルロースのをアセチル化することで、耐久性や防腐性などを高めることができる場合があります。

たとえば、半合成繊維であるアセテートは、アセチル化していない状態と比べて燃えにくくなります。そのため防火カーテンなどとして利用される場合があります。

(2)遺伝子の発現制御

タンパク質のN末端にあるの一部は、機能する過程でアセチル化と脱アセチル化を繰り返すことが知られています。たとえば、染色体中に含まれるタンパク質であるヒストンは、アセチル化の有無によって遺伝子情報の発現をコントロールします

ヒストンとDNAは水素結合で結びついていますが、がアセチル化されることでDNAがヒストンから外れやすくなります。そこを狙ってRNAポリメラーゼがDNAを読み取ります。つまり端的に言えば、アセチル化/脱アセチル化によってDNAがON/OFFされるわけです

以上、せっかくアセチル化の説明なのでいろいろ書いてみましたが、雰囲気を伝えるの優先でざっくりした話なので、興味がある人はきっちりと調べてみましょう。

補足

  • 「アセチル化」を初めてスマホで変換する時、「汗散る化」となって少し汚そうになってしまうことがあります。

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