PCR法
最近ホットな話題だと思われるので、しっかり何をしているのか、どんな手順でしているのか、理解しておきましょう!
PCR法とは
微量のDNAから特定領域のDNAを短時間で大量に増幅する方法。 Polymerase Chain Reactionの略。ポリメラーゼ連鎖反応法ともいう。
例えば、ある遺伝子があるかどうか調べたいとき、遺伝子自体が少ししかないと見つけにくいので、 見つけやすくするために、調べたい部分だけを増やす。その方法がPCR法なのだ。
材料
- 調べたいDNA
- DNAプライマー(2種類)
- DNAポリメラーゼ(高温でも変性しない、高熱性細菌のものを用いる)
- A,T,G,Cのヌクレオチド(新しくつくるDNAの材料)
手順
PCR法の3段階の手順はしっかり押さえておこう!
以下の3つの手順を何回も繰り返す。
1.反応液を95℃に加熱 (30秒) 目的:2本鎖をほどき、1本鎖にする。
2.40~60℃に下げる (30秒) 目的:DNAプライマーを結合させる。
3.72℃に上げる (2分) 目的:DNAポリメラーゼをはたらかせ、DNAの複製を進める。
この3ステップを何度か繰り返すと、2~3時間ほどで、約100万倍にまで目的の遺伝子を増やすことができるのです!
計算法
n回繰り返すと、増やしたい長さの遺伝子は何本つくられるでしょう?
これよく聞かれるんよね。
3回目まで実際に見てみて、そっから考えてみよう!
1回目
増やしたい領域は、点線の間の部分だから、 1回の複製では、目的の長さのDNAはひとつもできないのです。
2回目
次に、今できた4本のDNAにそれぞれプラーマーがくっつき、(ぐるぐるしてる部分) そこから新たに4本のDNAが複製される。
ここで、初めて、増やしたい長さのDNAが2本できるのです⋯! (右のぐるぐるしてる部分)
3回目
ちょっと書くのが大変なので、省略するね。
オレンジで書いたのが、3回目に新しく複製されたDNAです。 そしたら、3回目までで、増やしたい長さのDNAは8本できるのがわかるはず。(星マークつけてる8本)
n回目
さて。ここまでの流れから、n回繰り返すと、増やしたい長さの遺伝子は何本つくられるのか、考えてみよう。
n回複製されたとき、
DNAの本数すべてを合わせると、
そのうち、一番初めからあったDNAが
1回目で新しく複製されたような、目的より少し長い長さのDNAは、
1回の複製ごとに2本ずつ作られるので、
n回複製されたときは、
それ以外が増やしたい長さのDNAなので、
よって、n回複製したときの増やしたい長さのDNAの本数は、
という式で求めることができる。
よく
動画で学びたい人は、「おうち生物 28. PCRと電気泳動」をチェック!