種
種(しゅ)とは
種とは、生物を分類する基本の単位のこと。
種の定義は色々あるが、高校生物・生物基礎では基本的に、
形態などに共通の特徴を持ち、生殖能力を持つ子を残すことができる集団
を、一つの種としている。
「同じ種」の定義
ではここからは、「種」の理解に欠かせない、「同じ種」の定義についてみていこう。
ここで突然だが、以下の生物同士は同じ種かどうか、考えてみよう。
「チワワ」と「ダックスフンド」
同じ犬だから同種だろうか?
では、
「ロバ」と「ウマ」
「イノシシ」と「ブタ」
はどうだろうか。
「同じ種」の定義
一般的に、個体同士が子を残すことができて、さらにその子が孫を残すことができる場合、子を残した個体同士を「同じ種」ということができる。
では、改めて先ほど例に挙げた生物同士は同じ種かどうか、見ていこう。
①「チワワ」と「ダックスフンド」
この2種類の犬は、犬種は違うものの、一応子孫を残すことができる。(いわゆる雑種)
だから、この2つは同じ種ということができる。
(ちなみに、チワワとダックスフンドのかけ合わせを「チワックス」と呼んだりするらしい。)
イヌにはいろんな形態があるが、まとめて「イヌ」という1つの種でなのである。
ただし、イヌは犬種により体の大きさにかなり差があるので、大きな種類と小さな種類の子供を妊娠するのは困難であるなど、配慮すべき点は多くあるようだ。
②「ロバ」と「ウマ」
ロバとウマは、子を残すことができる。
ロバとウマの子は「ラマ」と呼ばれるそうだ。
ただし、ロバとウマは染色体の数が異なるため、ラマには生殖能力がない。
つまり、孫の代まで残すことはできないのだ。
ということで、ロバとウマは子は残せるが、孫は残せないので、別の種なのである。
③「イノシシ」と「ブタ」
イノシシとブタも、子を残すことができる。
イノシシとブタの子は「イノブタ」と呼ばれるそうだ。
そして、実はイノブタには生殖能力がある。
イノブタは、ブタとも、イノシシとも、もちろんイノブタとも交配して子を残すことができる。
そのため、なんとイノシシとブタは、同じ種なのである。
さいごに
「種」について、理解できただろうか。
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